第2 【事業の状況】
当社の消費税等に係る会計処理は、税抜方式によっているため、この項に記されている売上高および販売実績の金額には、消費税等は含まれておりません。
1 【業績等の概要】
(1) 業績全般
気象市場は、全世界で6,000億円以上の市場規模はあると認識しており、今後も先進国はもちろん、アジア、南米などの国々の経済発展によってグローバルな潜在市場は成長し続けると考えています。また、世界的な気候変動への関心の高まりや、個人がどこでも自由にコンテンツを交信できるネット社会の急速な発展等に下支えされながら、気象コンテンツに対するニーズはますます高まると見込んでいます。
当社では、「68億人サポーターとともに」という夢のもと、“官営サービスも含めて、世界中のサポーターから最初に選ばれる会社を目指して”を方針とした中期ビジョン(前期より3ヶ年)に基づいた計画に取り組んでいます。当期(24期)は、中期ビジョンの2年目として、気象はもちろん気候変動まで視野に入れて、従来にはない真に価値あるサービスをサポーター(個人・企業)とともに実現するべく、積極果敢に下記テーマに取り組んでいます。
<1> 市場面−重点事業のやり抜き
・交通気象(航海気象/VP、道路気象/RD、鉄道気象/R、航空気象/SKY)のやり抜き
・分衆市場(BtoS市場/モバイル・インターネット中心)の立ち上げ
<2> エリア展開−重点地域(23期・24期 欧州)
<3> 革新的なサービスおよびサービスを実現する技術、インフラ展開への取り組み
こうした取り組みの結果、売上面では、重点事業である交通気象、モバイル・インターネットが、価値創造サービスを中心に売上成長しました。交通気象の中でも海運会社向け航海気象は、厳しい市場環境の中、安全性を確保しながら、燃費の向上、環境負荷の軽減を実現し運航効率を高めるOptimum Ship Routeing(OSR)の提供を開始し、既存顧客への価値向上、新規受注が拡大し、引き続き成長しました。また、航海気象に続くグローバル市場を視野に入れた交通気象では、道路気象、鉄道気象、航空気象がそれぞれサービス提供を拡大しました。
一方で、BtoS市場の重点事業であるモバイル・インターネットでは、ゲリラ雷雨、台風、雪などの減災コンテンツ、交通気象という新しい分衆向けコンテンツなど個人サポーターとの交信型の新しい気象サービスの利用が広がったことにより、前年同期比25.2%成長しました。
こうした結果、売上面では、海外売上における為替換算の差があったものの、重点事業が成長し、売上全体で11,824百万円(前年同期比3.4%増)となりました。
また、利益面については、革新的なサービスを実現するためのインフラへ積極的に投資する一方で、トールゲート型ビジネス(継続的コンテンツサービス)が成長したことにより、営業利益2,277百万円(前年同期比7.1%増)、経常利益2,257百万円(前年同期比10.7%増)、当期純利益1,421百万円(前年同期比20.4%増)と増収増益となるとともに、創業以来最高の売上高、利益となりました。
当期の具体的な事業活動は、以下のとおりであります。
1)市場別の状況
① BtoB(企業・法人)市場
BtoB市場は、海・空・陸の23の市場の中で、社会のインフラとして企業、個人にとってニーズが高く、かつグローバル市場へ展開していく交通気象(航海気象、道路気象、鉄道気象、航空気象)を重点事業として位置づけ、注力しています。
交通気象の中でも、世界的に民間気象市場が確立した海運会社向け航海気象は、安全性、経済性、環境性において、船隊全体の運航を最適化するTFMS(Total Fleet Management Service)を全世界のすべての海運会社に提供することを目指しており、当期もサービスを提供する船舶が約4,800隻まで拡大しました。
とくに、安全性を確保しながら、減速航海など運航効率を向上させる新サービスOSR(Optimum Ship Routeing)への海運会社からの期待は世界的に高く、当期後半は、日本・アジアの大手海運会社のコンテナ船、自動車船への導入が進みました。また、ばら積み船、タンカーへと船種を広げるとともに、地域では欧州において経営レベルでの導入の検討も進んでいます。
道路気象、鉄道気象、航空気象では、従来の社会資本では捉えられなかった短時間・局地的な気象リスクに対して、世界でも初めての小型レーダーネットワーク「WITHレーダー」を全国の交通の要所に約30基配置して、その対応サービスに交通関連企業とともに取り組むなど、新しい交通のインフラとして浸透するとともに、サービス提供を拡大しました。
こうした結果、重点事業である交通気象はサービス提供が広がり、BtoB市場全体の売上高は、5,905百万円となりましたが、海外売上における為替の換算差により、前年同期に比べ3.4%の減少となりました。
② BtoS(個人・分衆)市場
BtoS市場では、携帯電話を中心にあらゆるメディアを通じてトランスメディア的にサポーターが参加する気象コンテンツがますます広がることにより、会員の増加につながっています。日々の天気から台風、大雨、大雪などの荒天やその被害情報、交通への影響を他のサポーターに役立てるため情報交信するウェザーリポーターが12万人を超え、世界でも類を見ない独自のリアルタイムな情報交信の場が広がりました。
また、当社の独自コンテンツに触れる機会として、リッチなコンテンツ展開が可能なiPhoneなどのスマートフォン、2011年の地上波デジタル化に向けた、地上波デジタル放送との連動番組など新たな取り組みを広げることにより、幅広いサポーターの関心を集めました。
こうしたサポーター参加型のコンテンツサービスと自社メディアを中心としたマーケティングの強化により、モバイル・インターネットの売上は前年同期に比べて25.2%成長し、BtoS市場全体の売上は、5,919百万円と前年同期に比べ11.3%の増加となりました。
③ 中期的な革新的サービスに向けた取り組み
<WITHレーダー> 道路気象・鉄道気象・航空気象(交通気象)
被害が増加している局地的な強風、強雨、降雪への対応サービスを実現するために、交通関連の企業やオクラホマ大学とともに開発した小型レーダーネットワークを活用して、夏季のゲリラ雷雨や冬季の降雪に対する捕捉を試行し、その対応サービスに取り組みました。
当期は、全国の交通の要所をカバーする30ヶ所程度にレーダーを配置しましたが、次期は交通関連の企業と連携しながら、新たに50ヶ所を全国に配置し、社会資本ではない新たな交通インフラとして交通におけるリスクを軽減するサービスを実現していきます。
<WNI衛星>航海気象(交通気象)
資源輸送が活発化する海氷域での安全な運航を支援するために、海氷の監視と温室効果ガスを感測する超小型衛星打ち上げ(次期中予定)に向けて、模擬試験用のエンジニアリングモデル(EM)をもとに、耐久試験などの結果を反映して、実際に打ち上げる衛星の製作の準備を進めました。また、将来に向けて、実現すれば大幅な航路の短縮が見込める北極海航路や超小型衛星等を活用した海賊対策への応用に関する研究も始めています。
<SHIRASE>気候変動、環境への取り組み
気象→気候変動→環境へと事業領域を拡大する中で、南極観測船「しらせ」を環境のシンボル“SHIRASE”として、本年5月2日、千葉県船橋港にオープンしました。従来の展示・保存ではなく、生きている船として、グローバルアイスセンターや小型レーダーの設置など地球の今をモニタリングする拠点として、また、気候変動、環境問題に関する交流や共創の場として、乗船者の共感を得ています。5月には、世界中の海運会社の参加のもと、“SHIRASE”内にて「環境運航」をテーマにセミナーを開催し、今後の海運業界における環境への対応について課題を共有しました。
2) 地域別の状況
当社では、サービス開発、マーケティング、サービス運営をグローバルセンター(日本)に集約して、重点事業の展開に合わせて直販を主体として販売を行うグローバルビジネスモデルを進めてきました。当期は、グローバルビジネスモデルがほぼ確立し、重点事業が成長しました。なお、前年同期と比べ為替の影響により、260百万円程度が売上の減少要因となっています。
<日本地域>
重点市場として注力している航海気象、モバイル・インターネットサービスが引き続き成長したことにより、外部売上高は9,758百万円(前年同期比8.7%増)、営業利益は2,288百万円(前年同期2,030百万円)と増加しました。
<欧州地域>
航海気象は堅調に成長する一方で、グローバルビジネスモデルに基づく販売体制の見直しなどにより、外部売上高は1,185百万円(前年同期比14.1%減)となりました。営業損益は18百万円の損失(前年同期21百万円の損失)となりました。
<アジア・豪州地域>
航海気象はサービス提供を広げる一方で、一部顧客の契約更新のずれ等により、外部売上高は637百万円(前年同期比14.1%減)、営業損益は22百万円の損失(前年同期4百万円の損失)となりました。
<北米地域>
価値創造サービスへの切り替え途上にある一部顧客の売上減少があり、外部売上高は243百万円(前年同期比27.3%減)、営業利益は30百万円(前年同期53百万円)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益2,191百万円を計上し、法人税等の支払などがあるものの、1,305百万円の収入(前年同期1,202百万円の収入)となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、インフラ投資として、有形固定資産の取得862百万円などにより、1,305百万円の支出(前年同期257百万円の支出)となりました。また、財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金の返済や前期末の配当および中間配当の支払などにより1,080百万円の支出(前年同期880百万円の支出)となりました。これらに現金及び現金同等物に係る換算差額7百万円などを減じた結果、現金及び現金同等物の当期末残高は2,364百万円(前期末3,457百万円)となりました。
2 【生産、受注及び販売の状況】
(1) 生産実績及び受注実績
当社グループのサービスは、総合インフラ整備型サービスであり、主たるものは契約にもとづいて継続的にサービスを行う、トールゲート型サービスです。
当社グループのこの継続的コンテンツサービスは、生産規模および受注規模として捉え難い事業であることから、生産実績・受注実績を区分して数量・金額で示すことはいたしておりません。
(2) 販売実績
当連結会計年度における市場別売上高は下記のとおりであります。
|
市場区分
|
前連結会計年度
(自 平成20年6月1日
至 平成21年5月31日)
|
当連結会計年度
(自 平成21年6月1日
至 平成22年5月31日)
|
増減率
|
|
|
百万円
|
百万円
|
%
|
|
BtoB市場
|
6,115
|
5,905
|
△3.4
|
|
BtoS市場
|
5,316
|
5,919
|
11.3
|
|
合 計
|
11,431
|
11,824
|
3.4
|
3 【対処すべき課題】
当社グループの基本コンセプトは、(気象から気候変動、環境に関する)あらゆるコンテンツを、官営サービスに依存することなく、自らが主体的にデータから配信まで提供する「フルサービス・ウェザーカンパニー」となることであり、これを目指してきました。そして、これに加え、およそ気象が有意義なコンテンツとなりうるあらゆる分野においてサービスを提供することができる「Full Services(フルサービシズ)」となり、多くの新しい市場とサービスの立ち上げを目指しています。当社グループが実現すべきミッションは以下の4つであると捉えております。
<1> 全世界68億人の一人ひとりとともに、最多、最速、最新の気象コンテンツサービスを創造・提供する世界最強・最大の「気象コンテンツ・メーカー」になること。
<2> 気象コンテンツ市場のフロントランナーとして、独創的に新たな市場を創造しながら「サポーター価値創造」と企業価値の最大化を実現すること。
<3> サポーター(個人・企業)が感測、予報、配信に参加する世界初の双方向型の気象情報交信ネットワーク「WITHステーション」を本格的に軌道に乗せ、従来の気象のあり方を革新的に変えること。
<4> 気象をベースに、気候変動、そして環境問題まで領域を広げ、サポーター(個人・企業)とともに、新たな価値創造(事づくり)を、実現すること。
《中期ビジョン》
当社では、経営理念「サポーター価値創造」のもと、気象はもちろん気候変動も視野に入れた“官営サービスも含めて、世界中のサポーターから最初に選ばれる会社を目指して”、中期ビジョン(2008年6月−2011年5月の3ヶ年)に基づいた計画を進めています。中期ビジョンは以下の通りです。
1) BtoB市場−交通気象(航海気象/VP、道路気象/RD、鉄道気象/R、航空気象/SKY)のやり抜き
交通気象は、重要な社会インフラとして気象に関するニーズが世界的に高く、グローバル市場を先に見据え、従来の発想を超えた価値創造型サービスにより市場を創造していきます。海運会社向け航海気象は、当社創業以来、世界に先駆けサービスを提供し、グローバルに市場を創造してきており、全世界の海運市場に向けて、安全性、経済性、環境への対応など運航にかかわる課題をトータルに支援するTFMS(Total Fleet Management Service)をグローバルで提供することによって全世界80%以上の圧倒的なシェアを目指します。道路気象では、サービスの高度化を通じて、日本の高速道路9,700kmすべてにサービス提供エリアを拡大していきます。鉄道気象では、強風・強雨などの気象リスクに対する運行規制を支援することにより、日本の基幹路線20,000kmへのサービス提供を目指します。航空気象は、航海気象に続き、官営を超えた気象サービスを好調なアジアをはじめ本格的にグローバル展開します。
2) BtoS市場−分衆市場の立ち上げ
モバイル、インターネット、BS、CATVを通して、気象コンテンツをサポーターとともに、リアルタイムに交信するトランスメディア戦略を本格的に展開するとともに、減災、交通、スポーツ、そして環境といった、ある目的をもったサポーターを大衆ではなく、あえて「分衆」と位置づけ、この新しい分衆市場を立ち上げていくことによってサポーターを拡大します。
3) 革新的なサービスおよびサービスを実現する技術、インフラ展開への取り組み
中期的に、BtoB市場、BtoS市場の重点事業を加速していくために、従来にない革新的なサービスおよびサービスを実現するための技術、インフラの構築に取り組みます。
航海気象では、海氷の減少著しい北極海を航海する際の航路支援サービスPolar Routeingの実現に向けて、北極海を中心にした世界の氷の状況把握、予測するグローバルアイスセンター、北極海の海氷および温室効果ガスを感測する超小型衛星打ち上げをサポーターや大学等とともに取り組みます。
交通気象では、短時間、局地的な強雨、強風による気象リスクに対応するために、超小型ドップラーレーダーシステム構築を、交通機関の企業サポーター、オクラホマ大学とともに取り組みます。また、独自数値予測システム“OWN”の高度化、千葉大学との連携によるリモートセンシング技術に取り組みます。
BtoS市場では、減災、通勤、ドライバー、スポーツ、環境といった分衆市場を立ち上げるために、当社ではこれまでも従来とは全く違う新しい気象サービスのあり方として、サポーター自らが感測することで、気象サービスを単に受動的に受ける対象から、自らが主体的にコンテンツ創りに参加する分衆へと変化するという気象サービスのパラダイムシフトに果敢に展開していく計画です。そのために企業、個人サポーターが参加する感測ネットワーク構築に取り組みます。
また、従来オペレーション機能であったOklahoma Centerを、価値創造サービスを実現させるテクノロジーの研究・開発拠点、Oklahoma Innovation Centerとして、25期(2011年5月期)後半に立ち上げていく予定です。
4) 直販を中心としたグローバル販売体制の強化とエリア展開
当社独自のグローバルビジネスモデルの次元をさらに高めるために、重点事業の戦略的な展開に合わせて、直販を中心としたグローバル販売体制の強化を行います。
5) 会社全体の中期目標
<売上目標> BtoB市場−重点事業(交通気象)は10%以上成長
BtoS市場−20%以上成長(モバイル・インターネット中心)
<営業利益率> 20%
<配当> 業績に応じた配当
当社は、会社の支配に関する基本方針を次のとおり定めております。
1.当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当社グループは、民間の気象情報会社として「68億人サポーターとともに」という夢を掲げ、気象が「水、電気、交通、通信」に続く第5の公共資産=公共インフラであると考え、世界中のあらゆる企業、個人の生命、財産に対するリスクを軽減し、機会を増大させることを実現する気象サービスを目指しております。また、当社グループは、サポーター自身が主体的に気象の観測(感測)、分析、予測、配信・共有に参加し、当社とともに価値を共創していく新しい気象サービスのあり方を追求していくことにより、社会や地球環境に貢献していきます。
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の企業価値の源泉を理解し、当社グループの企業価値及び株主の皆様の共同の利益を継続的かつ持続的に確保、向上していくことを可能とする者でなければならないと考えております。言うまでもなく、上場会社である当社の株券等については、株主及び投資家の皆様による自由な取引が認められており、当社取締役会としては、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、最終的には株主の皆様全体のご意思により決定されるべきであり、当社の株券等に対する大量取得行為の提案又はこれに類似する行為があった場合に、当社の株券等を売却するかどうかの判断も、最終的には当社の株券等を保有する株主の皆様の判断に委ねられるべきものであると考えます。
しかしながら、近年わが国の資本市場においては、対象となる企業の経営陣の賛同を得ずに、一方的に株券等の大量取得行為の提案又はこれに類似する行為を強行する動きが顕在化しております。そして、かかる株券等の大量取得行為の中には、その目的等から見て企業価値及び株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすもの、株主に株券等の売却を事実上強要するおそれがあるもの、対象会社の取締役会や株主が株券等の大量取得行為の内容等について検討しあるいは対象会社の取締役会が代替案を提案するための十分な時間や情報を提供しないもの、対象会社が買収者の提示した条件よりも有利な条件をもたらすために買収者との協議・交渉を必要とするもの等、対象会社の企業価値及び株主共同の利益に資さないものも少なくありません。
そこで、当社としては、当社グループの企業価値及び株主の皆様の共同の利益を毀損する大量取得行為を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であり、このような者による大量取得行為に対しては必要かつ相当な対抗措置を講じることにより、当社グループの企業価値及び株主の皆様の共同の利益を確保する必要があると考えます。
2.基本方針の実現に資する特別な取組み
当社は、中長期にわたる企業価値を持続・発展させていくことこそが株主の皆様の共同の利益の向上のために最優先されるべき課題であると考え、当社グループの企業価値及び株主の皆様の共同の利益の向上を目的に、当社の新中期経営計画の策定及びその実施、コーポレート・ガバナンスの強化、更に、業績に応じた株主の皆様に対する利益還元を進めてまいる所存です。これらの取組みを通じて、当社グループの企業価値及び株主の皆様の共同の利益を向上させ、その向上が株主及び投資家の皆様による当社株式の評価に適正に反映されることにより、上記の当社グループの企業価値及び株主の皆様の共同の利益を著しく損なうおそれのある当社株券等の大量取得行為は困難になるものと考えられます。
したがって、これらの取組みは、上記1.記載の基本方針に資するものであり、株主の皆様の共同の利益を損なうものではなく、また、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないと考えております。
3. 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み
当社は、上記1.記載の基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みの一つとして、平成20年8月10日開催の第22期定時株主総会において、株主の皆様のご承認の下、当社株券等の大量取得行為に関する対応策(買収防衛策)(以下「本プラン」といいます。)を導入しました。
本プランは、当社が発行者である株券等について、保有者の株券等保有割合が20%以上となる買付けその他の取得、若しくは、当社が発行者である株券等について、公開買付けに係る株券等の株券等所有割合及びその特別関係者の株券等所有割合の合計が20%以上となる公開買付けに該当する行為若しくはこれに類似する行為又はこれらの提案(買付等)を行おうとする者(買付者等)に対し、事前に当該買付等に関する情報の提供を求め、当該買付等についての情報収集・検討等を行う時間を確保した上で、株主の皆様に当社経営陣の計画や代替案等を提示したり、買付者との交渉等を行っていくための手続を定めています。具体的には、買付者等には、必要な情報を事前に当社取締役会に提出していただき、本プランに係る手続の開始後、①当社取締役会による評価、検討、交渉及び意見形成の為の期間が終了するまでの間、又は、②取締役会により株主意思確認手続が実施された場合には、同手続が完了するまでの間、買付等を開始することができないものとします。買付者等が本プランにおいて定められた手続に従うことなく買付等を行う場合等、当社の企業価値及び株主の皆様の共同の利益が毀損されるおそれがあると認められる場合には、当社は対抗措置(買付者等による権利行使は認められないとの行使条件及び当社が当該買付者等以外の者から当社株式と引換えに新株予約権を取得する旨の取得条項が付された新株予約権(本新株予約権)の無償割当ての実施)を講じることがあります。
本プランにおいては、本新株予約権の無償割当ての実施又は不実施について、取締役の恣意的判断を排するため、①株主意思確認手続を実施することにより株主の皆様のご意思を確認するか、②当社経営陣から独立した者のみから構成される独立委員会の判断を経るか、のいずれかの手続を履践することとし、当社取締役会は、株主意思確認手続の結果、又は独立委員会の勧告を最大限尊重し、本新株予約権の無償割当ての実施、不実施に関する会社法上の機関としての決議を速やかに行うものとします。
なお、当社は、本プランを、平成20年7月11日付「当社株券等の大量取得行為に関する対応策(買収防衛策)の導入について」において公表しておりますので、本プランの詳細については、以下のウェブサイトに掲載している平成20年7月11日公表の当社プレスリリースをご参照下さい。
http://weathernews.com/ja/nc/
4.上記3.記載の取組みについての取締役会の判断
本プランは、当社株券等に対する買付等が行われる場合に、当該買付等に応じるべきか否かを株主の皆様が判断し、あるいは当社取締役会が代替案を提案するために必要な情報や時間を確保し、株主の皆様のために買付者等と協議・交渉等を行うことを可能とすることにより、当社の企業価値及び株主の皆様の共同の利益を確保するための枠組みであり、上記1.記載の基本方針に沿うものであると考えております。
また、本プランは、買収防衛策に関する指針の要件等を完全に充足していること、株主意思を重視するものであること、取締役の恣意的判断を排除するために本プランの発動及び廃止等の運用に際しての実質的な判断を客観的に行う機関として独立委員会が設置されていること、合理的かつ詳細な客観的要件が充足されなければ発動されないように設定されていること、外部専門家の意見の取得ができるものであること、当社取締役の任期は1年であること、有効期間満了前であっても株主総会又は取締役会によりいつでも廃止することができるものとされていること等の理由から、株主の皆様の共同の利益を損なうものでなく、また、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないと考えております。
4 【事業等のリスク】
(1)日本における気象業務法、放送業法等、公的規制の変更
当社グループの事業には、気象情報コンテンツの提供、BSデジタル・データ放送等、気象業務法、放送法等の公的規制を受ける事業が含まれます。今後、予測できない大幅の規制変更が行われ、その変化に当社グループが対応できない場合、当社グループの事業に影響が及ぶ可能性があります。
(2)為替相場・金利等、金融市場の変動
当社グループは、日本に本社を置き事業運営を行っているため、当社連結子会社の存在する海外各地域における外貨建て財務諸表を連結財務諸表作成のために円換算しております。従って為替レートの変動により円換算後の経営成績の表示に影響が発生する可能性があります。また、金利等の変動は当社の資金調達コストの変動を通じて当社グループの損益に影響を及ぼします。
(3)海外展開にかかわる、公的規制、テロ、戦争、予期し得ない政治・経済上の変動
当社グループは海外13の連結子会社(北米1社、欧州4社、アジア・豪州8社)を有しますが、これらの連結子会社が存在する各国での予期せぬ公的規制の変更、テロ、戦争、その他予期し得ない政治・経済上の変動により、当社グループの経営成績、財務状況に影響が及ぶ可能性があります。
(4)コンピューターウィルスや情報の漏洩等、情報にかかわるリスク
当社グループはコンピューターウィルスやハッカーの侵入、攻撃に対し、最善の防衛手段を講じるとともに、お客様情報等の個人情報の漏洩に関しては、セキュリティ・ポリシーの設定や、アクセス権限の管理により対応する一方で、社員のコンプライアンス意識の徹底を図っていますが、常識を超えた予期せぬウィルスによる攻撃等が行われた場合、当社グループの事業に影響が及ぶ可能性があります。
5 【経営上の重要な契約等】
該当事項はありません。
6 【研究開発活動】
当社では、「68億人サポーターとともに」という夢を掲げ、気象が「水、電気、交通、通信」に続く第5の公共資産=公共インフラであると考え、官営サービスに依存することなく、世界中のあらゆる企業、個人の生命、財産に対するリスクを軽減し、機会を増大させることを実現する気象サービスを目指しています。また、その実現にあたっては、サポーター自身が主体的に気象の感測/観測、分析、予測、配信・共有に参加し、当社とともに価値を共創していく新しい気象サービスのあり方を追求していきます。
中期ビジョン(2008年6月−2011年5月)では、「官のサービスを含めて世界のサポーターから最初に選ばれる会社を目指して」をテーマに、革新的な気象サービスを実現する技術・インフラの構築に注力します。研究・開発活動においては、単なる技術的側面にとどまらず、事業の立ち上げを視野に入れた市場創造・運営体系に取り組みます。
(1)交通気象(道路・鉄道・航空)における革新的サービスを実現する技術・インフラ
近年発生している竜巻、突風などの気象リスクに曝されている道路、鉄道向けに、短時間、局地的な強雨、強風による気象リスクに対応するための小型レーダーネットワーク“CASA”構築を、交通関連の企業やオクラホマ大学とともに取り組んでいます。また、海事気象、交通気象のサービスインフラとなる独自数値予報モデル“OWN” (Original Weather Numerator)の高度化や従来把握することが難しかった凍結、霧などのデータ解析のため千葉大学との連携によるリモートセンシング技術の応用研究にも取り組んでいます。
(2)交通気象(航海気象)における革新的サービスを実現する技術・インフラ
海氷の減少著しい北極海を航海する際の航行支援サービスPolar Routeingの実現に向けて、北極海を中心にした世界の氷の状況を把握、予測するグローバルアイスセンター、また北極海をはじめ世界中の海氷および温室効果ガスをサポーター(企業・個人)とともに観測する、世界で初めての超小型衛星「WNI衛星」打ち上げを(株)アクセルスペース、東京大学、千葉大学等とともに取り組んでいます。また、超小型衛星等を活用して、近年被害が拡大している海賊への対策に関する研究も進めています。
(3)BtoS市場(個人・分衆向け)における革新的サービスを実現する技術・インフラ
通勤、防災・減災、趣味・スポーツ、環境といった分衆市場を立ち上げるために、当社では従来とは全く違う新しい気象サービスのあり方として、サポーター自らが感測することで、気象サービスを単に受動的に受ける対象から、自らが主体的にコンテンツ創りに参加する分衆へと変化していくという気象サービスのパラダイムシフトを果敢に展開していきます。既に展開している花粉観測機「ポールンロボ」、地震など揺れをはかる「Yure Station」のほか、個人が自宅に設置して気象観測が可能な観測機の開発やそのネットワークの構築に取り組んでいます。
(4)価値創造サービスを実現すテクノロジーの研究・開発
マーケットリーダーであるとともに、テクノロジーリーダーとして従来にない価値創造型サービスを開発し続けることが、グローバルな市場創造を実現するために重要です。当社では、従来はオペレーション機能であったOklahoma Centerを、価値創造サービスを実現させるテクノロジーの研究・開発拠点、Oklahoma Innovation Centerとして立ち上げていきます。
なお、当連結会計年度における当社グループ全体の研究開発費は、382百万円であります。
7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績の分析
① 当連結会計年度売上高の概況
グループ全体としての当連結会計年度の売上高は、BtoB市場の売上が5,905百万円と前期比3.4%の減少となりました。BtoS市場においては5,919百万円と前期比11.3%の増加となり、全体では11,824百万円と前期に比べ3.4%の増加となりました。
② 当連結会計年度利益の概況
重点事業を中心にトールゲート型ビジネス(継続的なコンテンツサービス)が成長しましたが、海外売上における為替換算の影響により、売上全体で11,824百万円(前年同期比3.4%増)となりました。
また、利益面については、革新的なサービスを実現するためのインフラへ積極的に投資する一方、収益性の高いトールゲート型ビジネスが成長したことなどにより、営業利益2,277百万円(前年同期比7.1%増)、経常利益2,257百万円(前年同期比10.7%増)、当期純利益1,421百万円(前年同期比20.4%増)と増益となりました。
③ 所在地別セグメント業績の概要
所在地別セグメント業績の概要は、「第2事業の状況 1業績等の概要」をご参照下さい。
(2)財政状態の分析
当期末の総資産は、革新的なサービス実現のためのインフラ投資などにより、前期末に比べて585百万円増加し、8,898百万円となりました。一方、この投資を自己資金で行い、また、借入金の返済および社債の償還により、負債は前期末に比べて637百万円減少し、3,488百万円となりました。当期末の総資産は、前期の期末配当83百万円および中間配当83百万円を行う一方で、当期純利益1,421百万円を計上したことなどから、前期末に比べて1,222百万円増加し、5,410百万円となりました。これらにより、自己資本比率は60.8%となっております。
(3)資本の財源及び資金の流動性に関する情報
① キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローの状況は、「第2事業の状況 1業績等の概要」をご参照下さい。
② 所要資金の調達方針
当社グループの所要資金の調達は、当社グループにおける財務安定性および資本コストの適正性を勘案して行うことを方針としております。また、グループにおける資金需要を当社にて一元把握し、調達することとしております。基本的に、多額な設備投資以外の資金需要は「営業活動によるキャッシュ・フロー」により確保することとし、子会社(グローバルビジネスモデルにおけるSSB)にて資金の不足が生じる場合には、当社からの貸付けによって補うことを原則としております。
なお、グローバルビジネスモデルにおけるSSBは、本来的に戦略性に重点をおいた販売拠点展開として投資しているため、資金を固定的に用いるのではなく、その販売拠点の戦略性の変化に対してダイナミックに変化させることができるものとなっております。
③ 資金調達の方法
運転資金につきましては、「営業活動によるキャッシュ・フロー」を原資として、必要な場合は金融機関からの短期的な借入を行い、設備・投融資資金につきましては、金融機関からの長期借入金・社債および証券市場を通じての増資等により調達することとしております。
④ 流動比率等について
平成22年5月末の有利子負債1,823百万円は長期借入金および社債であり、現金及び現金同等物の残高は、2,364百万円となっております。また、流動比率は、181.7%となっております。