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セクション一覧

第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

当連結会計年度の営業収入は、前連結会計年度に比べ5.6%増収の797,102百万円となりましたが、6,761百万円の当期純損失(前連結会計年度は84,986百万円の当期純損失)を計上しました。なお、当連結会計年度の為替レートは、前連結会計年度に比べ対米ドル3.2%、対ユーロ8.1%の円安でした。

ホームエレクトロニクス事業の売上は、前連結会計年度に比べ3.9%増収の368,622百万円となりました。プラズマディスプレイの売上は、自社ブランドが欧米で増加しましたが、OEMの減少により、前期に比べわずかに減少しました。なお、ホームエレクトロニクス事業の売上に占めるプラズマディスプレイの構成比は約48%となりました。また、DVDレコーダーの売上は減少しましたが、DVDドライブやDVD関連デバイス、DJ機器の売上は増加しました。国内外別内訳では、国内は19.7%減収の65,851百万円、海外は11.0%増収の302,771百万円となりました。

カーエレクトロニクス事業の売上は、カーナビゲーションシステムとカーオーディオ製品の売上がともに増加したことにより、前連結会計年度に比べ8.3%増収の357,809百万円となりました。カーナビゲーションシステムでは、市販市場向けが主に国内で増加したほか、OEMの売上も北米を中心に増加しました。カーオーディオ製品については、市販市場向けは中南米やロシアで売上が増加し、OEMは北米の売上は減少しましたが、国内や中国は増加しました。なお、当連結会計年度のカーエレクトロニクス全体の売上に占めるOEMの構成比は、約36%となりました。国内外別内訳では、国内は7.4%増収の126,278百万円、海外は8.7%増収の231,531百万円となりました。

特許関連事業における特許料収入は、光ディスクに関する一部の特許権の期間が満了したことから、前連結会計年度に比べ45.4%減収の4,661百万円となりました。

その他事業の売上は、携帯電話用スピーカーユニットの売上は減少しましたが、FA(ファクトリーオートメーション)機器やパッシブマトリクス型有機ELディスプレイの売上が増加したことから、前連結会計年度に比べ7.8%増収の66,010百万円となりました。国内外別内訳では、国内は24.9%増収の41,490百万円、海外は12.4%減収の24,520百万円となりました。

 

利益については、当連結会計年度にプラズマディスプレイ等の生産設備の減損を計上したことにより、6,761百万円の純損失となりました。なお、前連結会計年度は、事業構造改革の実施に伴う費用および損失を計上したことにより、84,986百万円の純損失でした。

 

また、所在地別セグメントの売上は次のとおりです。

国内事業においては、DVDドライブ、市販市場向けカーナビゲーションシステム、OEMカーオーディオの売上が伸長したことにより、営業収入は前連結会計年度に比べ4.6%増収の632,730百万円となりました。在外事業においては、北米ではプラズマディスプレイおよびOEMカーナビゲーションシステムの売上が増加したことにより、営業収入は前連結会計年度に比べ2.9%増収の208,914百万円となりました。欧州ではプラズマディスプレイ、市販市場向けカーオーディオおよびDJ機器の売上が増加したことにより、営業収入は前連結会計年度に比べ10.0%増収の180,038百万円となりました。その他の地域では、DVDドライブ、市販市場向けおよびOEMカーオーディオ、OEMカーナビゲーションシステムの売上が増加したことから、営業収入は4.9%増収の350,431百万円となりました。

なお、所在地別セグメントの営業収入は、当社グループ内取引において生じた営業収入(総額575,011百万円)を含んでいます。

 

(2)キャッシュ・フロー

当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末から19,860百万円減少し、101,820百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の営業活動では、当期純損失の計上6,761百万円や、買掛金および未払費用の減少24,285百万円などのキャッシュの減少要因がありましたが、減価償却費41,127百万円、生産設備等の減損22,711百万円などの現金支出を伴わない調整項目により、全体では16,752百万円のキャッシュを得ました。前連結会計年度においては当期純損失を計上しましたが、債権の流動化による売掛債権の減少や棚卸資産の減少に加え、減価償却費、および事業構造改革の実施による現金支出を伴わない調整項目により、全体では68,329百万円のキャッシュを得たため、営業活動により得たキャッシュは、前連結会計年度と比較して51,577百万円減少しました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の投資活動では、所沢事業所および大森事業所(一部)の土地・建物の売却前受金14,112百万円や子会社の売却による手取金10,949百万円を得ましたが、カーエレクトロニクスやプラズマディスプレイ関連の設備投資などに41,932百万円のキャッシュを使用し、全体では16,468百万円の支出となりました。前連結会計年度においては投資有価証券売却による手取金を得た一方で、カーエレクトロニクスやプラズマディスプレイ関連の設備投資などにより、全体では29,759百万円のキャッシュを使用したため、投資活動に使用したキャッシュは、前連結会計年度と比較して13,291百万円減少しました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の財務活動では、主に借入金の返済により、21,673百万円のキャッシュを使用しました。前連結会計年度においては、社債の償還や配当金の支払などにより、38,551百万円のキャッシュを使用したため、財務活動により使用したキャッシュは、前連結会計年度と比較して16,878百万円減少しました。


2【生産、受注および販売の状況】

(1)生産実績

当連結会計年度における事業の種類別セグメントごとの生産実績は、次のとおりです。

事業の種類別セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

ホームエレクトロニクス事業

369,309

+ 4.6

カーエレクトロニクス事業

364,881

+ 10.8

その他事業

66,472

+11.7

合計

800,662

+ 7.9

(注)金額は消費税等抜きの販売価額によるものです

 

(2)受注状況

当社グループは、原則として需要予測による製品の見込生産を行っています。

 

(3)販売実績

当連結会計年度における事業の種類別セグメントごとの販売実績は、次のとおりです。

事業の種類別セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

ホームエレクトロニクス事業

368,622

+ 3.9

カーエレクトロニクス事業

357,809

+ 8.3

その他事業

66,010

+ 7.8

合計

792,441

+ 6.2

(注)金額は消費税等抜きの販売価額です

 

3【対処すべき課題】

今後の経済情勢は、素材価格高騰の影響が残るものの、好調な企業業績と堅調な個人消費に支えられ、安定した基調が続くと予想されています。その一方で、当社グループを取り巻く経営環境は、主要製品の価格競争が依然として続いており、非常に厳しいものとなっています。

プラズマディスプレイ事業については、HD(高精細)放送やブルーレイディスクなどのHDコンテンツが世界的に普及することで、高精細パネルの需要が高まると予測されるため、当社はパネル技術面での優位性を活かし、高画質のプラズマディスプレイを訴求してまいります。同時に、他のAV製品との組み合わせや連携を強化し、当社独自の価値提案をするとともに、ブランド戦略を強化することで、規模の拡大を追うのではなく、収益性を重視した事業展開を目指します。この方針を支える、高精細、かつ高品質なパネル生産と継続的なコストダウンを実現するとともに、今後の生産体制については、パネルプラントのスクラップアンドビルドや他社との提携による投資など、引き続きあらゆる可能性についての検討を進めてまいります。

光ディスク事業については、すでにDVDからの開発の中心を移している、ブルーレイディスク関連機器に注力してまいります。今後は、プラズマディスプレイとの組み合わせによる新たな付加価値の提案を、全世界で行ってまいります。パソコン用ドライブについても、開発のスピードアップを図ることで、収益性の改善を目指してまいります。

なお、現在、プラズマディスプレイとその他のAV製品との相乗効果を引き出すため、それぞれの企画・開発・設計部門を、神奈川県川崎市に完成した新事業所に集結しているところです。

カーエレクトロニクス事業については、市販市場とOEMともに、収益の拡大を目指してまいります。

市販市場においては、カーオーディオ製品は、トップポジションを維持するべく、急拡大している中南米、ロシアなどの市場に注力してまいります。また、新しい価値や機能を提案し、他社と差別化した製品を提供してまいります。カーナビゲーションシステムは、高い評価を得ている国内市場に加え、普及価格帯にAV一体型カーナビゲーションシステムを導入するなど、欧米での事業展開もさらに積極的に進めてまいります。また、製品の進化とともに増大するソフト開発コストを抑えるため、開発プロセスの改革や共有化をさらに進めてまいります。

OEMにおいては、カーオーディオ製品とカーナビゲーションシステムともに、評価の高い市販市場での製品企画力を活かして、新たな提案を行うことで、事業の拡大を目指してまいります。

 


4【事業等のリスク】

当社グループの経営成績、株価および財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには次のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成19年6月28日)現在において当社が判断したものです。

 

(1) 経済状況

当社グループの全世界における営業収入のうち、重要な部分を占める民生用エレクトロニクス製品の需要は、当社グループが製品を販売している国または地域の経済状況の影響を受けます。顧客にとって当社グループ製品を購入することは、多くの場合必要不可欠なことであるとは言えません。同様に、当社グループの業務用製品および他社製品に搭載される当社グループ製品の需要は、当社グループが製品を販売している様々な市場における経済状況の影響を受けます。従って、日本、北米、欧州、アジアを含む当社グループの主要市場における景気後退、およびそれに伴う需要の縮小は、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループの事業は、競合他社が製造を行う地域の経済状況から間接的に影響を受ける場合があります。例えば、競合他社が現地でより低廉な人件費の労働力を雇用した場合、当社グループと同種の製品をより低価格で提供できることになり、その結果、当社グループの売上が悪影響を受ける可能性があります。さらに、部品や原材料を製造する地域の現地通貨が下落した場合、当社グループのみならず他のメーカーでも、製造原価が(対円または対ドルで)下がる可能性があります。このような傾向により、輸出競争や価格競争が熾烈化し、いずれも当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性が生じることになります。

 

(2) 為替レートの変動

当社グループの事業には、全世界における製品の生産と販売が含まれています。各地域における売上、費用、資産を含む現地通貨建ての収支項目は、連結財務諸表の作成のために円換算されています。換算時の為替レートにより、これらの項目は元の現地通貨における価値が変わらなかったとしても、円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。また、為替レートの変動は当社グループ製品の現地価格に影響し、現地市場における競争力に悪影響を与える場合があります。一般に、他の通貨に対する円高(特に当社グループの売上の重要部分を占める米ドルおよびユーロに対する円高)は当社グループの事業に悪影響を及ぼします。

当社グループが生産を行う地域の通貨価値の上昇は、それらの地域における製造と調達のコストを押し上げる可能性があります。コストの増加は、当社グループの利益率と価格競争力を低下させ、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、通貨ヘッジ取引を行い、米ドル、ユーロおよび円を含む主要通貨間の為替レートの短期的な変動による悪影響を最小限に止める努力をしていますが、中長期的な通貨変動により、計画された調達、製造、流通および販売活動を確実に実行できない場合があるため、為替レートの変動は当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 新製品開発力

当社グループ収入のかなりの部分は革新的な新製品の売上に拠っています。当社グループは現在、DVD関連製品、プラズマディスプレイやカーナビゲーションシステムなどの分野における新製品による収入が、引き続き当社グループ収入のかなりの部分を占めると考えており、将来の成長は主に革新的な新製品の開発と販売に依存すると予想しています。

当社グループは継続して斬新で魅力ある新製品を開発できると考えていますが、当社グループが属する業界は技術的な進歩をはじめとする急速な変化により特徴付けられています。新製品の開発と販売のプロセスは、その性質から複雑かつ不確実なものであり、以下をはじめとする様々なリスクが含まれます。

      新製品や新技術への投資に必要な資金と資源を、今後十分充当できる保証はありません。

      長期的な投資と大量の資源投入が、成功する新製品または新技術の創造へつながる保証はありません。

      当社グループが市場からの支持を獲得できる新製品または新技術を正確に予想できるとは限らず、またこれらの製品の販売が成功する保証はありません。

      新たに開発した製品または技術が、独自の知的財産権として保護される保証はありません。

      技術の急速な進歩と消費者の嗜好の変化により、当社グループ製品が時代遅れになる可能性があります。

      現在開発中の新技術の商品化の遅れにより、市場の需要に追い付かなくなる可能性があります。

上記のリスクをはじめとして、当社グループが業界と市場の変化を十分に予測できず、魅力ある新製品を開発できない場合には、将来の成長と収益性を低下させ、業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)プラズマディスプレイ市場の成長

プラズマディスプレイについては、今後とも当社のホームエンタテインメント事業の展開に不可欠な製品と当社グループの経営幹部は考えており、事業を継続しますが、プラズマディスプレイ市場が、競合する他方式のディスプレイの拡大によって、当社グループが思い描いたほど成長しなければ、増加した生産能力や販売チャネルが効率良く、あるいは費用対効果の点で適切に使用されないことになります。プラズマディスプレイの市場が成長し続けるという保証はなく、もし成長しなかった場合、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 価格競争

ホームエレクトロニクス、カーエレクトロニクスを含むエレクトロニクス業界における競争はたいへん厳しいものとなっています。当社グループは、当社グループが属している各製品市場と地域市場において、競争の激化に直面すると予想されます。競合先にはメーカーと販売業者があり、その一部は当社グループよりも多くの研究、開発や製造、販売の資源を有しています。また、技術が進歩し、新しいエレクトロニクス製品が市場の支持を獲得していくと同時に、新しい競合先または既存競合先間の提携が台頭し、市場での大きなシェアを急速に獲得する可能性があります。当社グループは、技術的に進化した高品質で高付加価値のエレクトロニクス製品を送り出す世界的なリーディングメーカーの一社であると考える一方で、将来においても有効に競争できるという保証はありません。価格面での圧力または有効に競争できないことによる顧客離れは、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

例えば、プラズマディスプレイ市場において競合他社が生産能力を大幅に増強し、また、より低価格の競合製品を投入することで市場競争がさらに激化する可能性があります。また、DVDプレーヤーなどの製品の標準規格化と模倣のし易さにより、新興市場におけるメーカー間の競争も、引き続き激化する可能性があります。当社グループの新製品開発の研究には多額の費用がかかりますが、競合する模倣者はこのような費用を負担していません。激化する価格低減競争の環境下で、当社グループは低コスト・低予算の競合先に対して市場シェアを維持もしくは拡大し、収益性を保つことができない可能性があります。

 

(6)国際的活動および海外進出に潜在するリスク

当社グループの生産および販売活動の大部分は、米国やヨーロッパならびに発展途上市場や新興市場等の日本国外で行われています。これらの海外市場への事業進出には次に掲げるようないくつかのリスクが内在しています。

      予期しない法律または規制の変更

      不利な政治または経済要因

      人材の採用と確保の難しさ

      ストライキ等の労働争議

      未整備の技術インフラが、製造等の当社グループの活動に悪影響を及ぼす、または当社グループの製品やサービスに対する顧客の支持を低下させる可能性

      潜在的に不利な税影響

      テロ、戦争、その他の要因による社会的、政治的または経済的な混乱

当社グループは競争力のある製品の製造と原価削減のために、中華人民共和国の上海と広東地区における生産および部品調達の規模拡大を続けてきました。しかし、中国における政治または法環境の変化、労働力の不足、ストライキ、経済状況の変化など、予期せぬ事象により生産設備の管理や事業契約の締結およびその他の事業の遂行に問題が生じる可能性があります。以上のことから、これらの事象は業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

7) 特定のグループ外部品供給元への依存

当社グループは重要部品を自社で製造するよう努めている一方で、複数のグループ外供給元に依存しています。グループ外の企業は半導体を含む当社グループの最重要部品の一部を製造しています。当社グループとグループ外供給元は通常、更新可能な短期契約を結んでいます。当社グループは必要に応じて戦略提携やその他の措置で供給を確保していますが、時に重要部品の不足が生じないという保証はありません。もし、当社グループがグループ外供給元との契約を変更せざるを得ない事態が生じた場合、重要部品の調達が困難となり、原価上昇という結果をもたらす可能性があります。また、民生用エレクトロニクス製品の需要が多い時期、または半導体などの部品が世代交代する時期には、部品の製造業者は当社グループが必要とする数量の部品を十分かつ迅速に提供できない可能性があります。グループ外供給元に天災や予期せぬ災害が起きることにより、重要部品の供給が十分に行われない可能性があります。重要部品が不足すると、部品の価格高騰、供給不足および品質管理などの問題が発生し、当社グループの経営成績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があるとともに、OEM顧客との関係の悪化を引き起こす可能性があります。

 

(8)OEM顧客企業の業績への依存

当社グループのOEM事業は、世界中の自動車メーカー、エレクトロニクスメーカー、パソコンメーカー、放送業界やその他の大規模事業を対象とし、提供する製品は、カーステレオ製品、カーナビゲーションシステム、DVD-ROMドライブおよび記録型DVDドライブを含んでいます。これらの分野における顧客企業への売上は、その顧客企業の業績や当社グループが管理できない要因により大きな影響を受けます。また、顧客の要求に応じるための値下げは、当社グループの利益率を低下させる可能性があります。顧客企業の業績不振、予期しない契約の終了、OEM顧客の調達実務の変化、大口顧客の要求に応じるための値下げは、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)キーパーソンの確保や育成

当社グループの将来の成長と成功は有能なエンジニアやキーパーソンに大きく依存するため、技術の高いエンジニアやその他のキーパーソンの新たな確保と育成は当社グループの成功には重要です。キーパーソンを確保または育成できなかった場合には、当社グループの将来の成長、業績および財務状況に悪影響が及ぶ可能性があります。

一方、最新技術の経験を持つ有能なエンジニアの積極的な採用は、採用コストと人件費を時には大きく押し上げる可能性があります。また、既存従業員の継続的な再研修はコストの増加を伴う可能性がありますが、高水準の技術革新と進歩を維持するために必要となる可能性があります。これらのコストの増加は当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)知的財産保護の限界

当社グループは他社製品と差別化できる技術とノウハウを蓄積してきましたが、当社グループ独自の技術とノウハウの一部は、特定の地域では法的制限のため知的財産権による完全な保護が不可能、または限定的にしか保護されない状況にあります。そのため、第三者が当社グループの知的財産を使って類似した製品を製造するのを効果的に防止できない可能性があります。また、他社が類似する、もしくは当社グループより優れている技術を開発し、当社グループの特許や企業秘密を模倣、または解析調査することを防止できない可能性があります。さらに、当社グループの将来の製品または技術は、将来的に他社の知的財産権を侵害しているとされる可能性があります。

 

(11)製品の欠陥

当社グループは世界中の工場で世界的に認められている品質管理基準に従って各種の製品を製造しています。しかし、全ての製品について欠陥が無く、将来にリコールが発生しないという保証はありません。また、製造物責任賠償については保険に加入していますが、この保険が最終的に負担する賠償額を十分にカバーできるという保証はありません。さらに、引き続き当社グループがこのような保険に許容できる条件で加入できるとは限りません。大規模なリコールや製造物責任賠償につながるような製品の欠陥は、多額のコストや当社グループの評価に重大な影響を与え、それにより売上が低下し、当社グループの業績と財務状況に悪影響が及ぶ可能性があります。

 

(12)他社との提携等の成否

当社グループは技術開発の一環として、経営資源を最適化し、技術の集約による相乗効果を利用するために、コラボレーション、技術提携や合弁の形で多くの他社と共同での活動を行っています。当社グループは引き続きこのような機会を前向きに活用する予定です。しかし、経営、財務またはその他の理由により当事者間で不一致が生じた場合、開発プロジェクトの目的を達成することができず、当社グループの業績と財務状況に悪影響が及ぶ可能性があります。

 

(13) 公的規制

当社グループは、事業展開する各国において、事業・投資の許可、国家安全保障またはその他の理由による輸出制限、関税をはじめとするその他の輸出入規制等、様々な政府規制の適用を受けています。また、通商、独占禁止、特許、消費者、租税、為替管制、環境・リサイクル関連の法規制の適用も受けています。これらの規制を遵守できなかった場合、当社グループの活動が制限される可能性があります。また、規制を遵守することによって追加的な費用が発生することがあります。以上のことから、これらの規制は当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(14)災害や停電等による影響

当社グループは製造ラインの中断による潜在的なマイナス影響を最小化するために、全ての設備における定期的な災害防止検査と設備点検を行っています。しかし、生産施設で発生する災害、停電またはその他の中断事象による影響を完全に防止または軽減できる保証はありません。例えば当社グループのプラズマディスプレイ製品は、主に静岡、甲府および鹿児島地区で製造されています。従いまして、静岡、甲府および鹿児島で大規模な地震やその他の操業を中断しなければならない事象が発生した場合、プラズマディスプレイの生産能力が著しく低下する可能性があります。

 

(15)退職給付債務

当社グループの従業員退職給付費用および債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の期待収益率に基づいて算出されています。実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来にわたって規則的に認識されるため、一般的には将来期間において認識される費用および計上される債務に影響を及ぼします。割引率の低下や運用利回りの悪化は当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。


5【経営上の重要な契約等】

 

(1)技術受入契約

 

当社グループの主な技術受入に関する契約は次のとおりです。

契約会社名

相手方の名称

国名

技術援助契約の内容

契約期間

パイオニア株式会社

(当社)

Dolby Laboratories

Licensing Corporation

米国

デジタルサラウンド装置および雑音低減装置に関する製造技術の特許権実施の許諾

昭和46年12月21日から

特許権満了日まで

パイオニア株式会社

(当社)

Koninklijke Philips

Electronics N.V.

オランダ

コンパクトディスクプレーヤーおよびレーザーディスクプレーヤーに関する製造技術の特許権実施の許諾

平成17年10月1日から

特許権満了日まで

パイオニア株式会社

(当社)

MPEG LA, L.L.C.

米国

MPEG-2ビデオ規格製品に関する製造技術の特許権実施の許諾

平成6年1月1日から

平成22年12月31日まで

パイオニア株式会社

(当社)

富士通株式会社

日本

プラズマディスプレイパネルに関する製造技術の特許権実施の許諾

平成15年8月1日から

平成20年7月31日まで

パイオニア株式会社

(当社)

Gemstar-TV Guide

International, Inc.

米国

電子プログラムガイドに関する製造技術の特許権実施の許諾

平成16年1月1日から

平成20年12月31日まで

 

(2)固定資産の譲渡

 

当社グループは、ホームエレクトロニクス事業の企画、開発およびデザイン部門を統合し、新しく建設した川崎事業所に移転することに伴い、当連結会計年度に、所沢事業所の全ておよび大森事業所の一部の土地、建物を譲渡する契約を締結しました。

 

(譲渡資産の内容)

 

帳簿価額

譲渡価額

① 所沢事業所

 

 

埼玉県所沢市花園4丁目

 

 

土地 34,187.14㎡

 

 

建物 47,620.73㎡(延床面積)

計 35億円

計 157億円

② 大森事業所(一部)

 

 

東京都大田区大森西4丁目

 

 

土地  7,034.41㎡

 

 

建物 14,838.35㎡(延床面積)

 

 

 

(譲渡先の概要) 

商          号

株式会社長谷工コーポレーション

本 店 所 在 地

東京都港区芝2丁目32番1号

代    表    者

代表取締役社長  岩尾 崇

資    本    金

500億円

主要な事業の内容

建設事業、エンジニアリング事業、不動産事業、

賃貸及び管理事業、ホテル事業

当 社 と の 関 係

資本関係および人的関係はありません。

(注)当連結会計年度末現在、本契約の買主の地位は、株式会社長谷工コーポレーションから次の6社に移転しています。

双日株式会社

総合地所株式会社

株式会社アゼル

栄泉不動産株式会社

JFE都市開発株式会社

ニチモ株式会社

 

(譲渡の日程)

平成19年3月末 所有権移転

平成19年6月末 物件明渡し予定

 

(損益に与える影響)

当該固定資産の譲渡に伴う譲渡益は、翌連結会計年度(平成20年3月31日に終了する年度)に計上します。

 

6【研究開発活動】

当社グループの研究開発は、主に当社を中心に行っています。

当社は、研究開発を当社が成長するための生命線と位置づけ、常に時代の先駆けとなるべく新しい価値の創造に努めています。

 

当連結会計年度における主な活動および成果は次のとおりです。

(1)当社は、次世代の光ディスクや磁気ディスクの原盤作製装置として、従来の紫外線や遠紫外線を使ったレーザービームレコーダーよりも微細な加工が可能な、電子ビームを露光源とする記録装置(EBR:Electron Beam Recorder)の開発を行っています。また、関連する国家プロジェクト※1 にも参画し、研究を進めてきました。

平成17年3月期には、1平方インチあたり50ギガビットを記録できるEBRを製品化していますが、当連結会計年度には、さらに微細なパターン描画や安定した記録技術を開発することで、1平方インチ当たり500ギガビット相当の記録密度を実現した新型EBRを開発し、今後の製品化を予定しています。

EBRは、次世代の高密度で大容量の光ディスクや磁気ディスクの実現に不可欠な装置として、市場から大きな期待が寄せられています。今後は、1平方インチ当たり1テラビット(1,000ギガビット)という記録密度の実現を目指して、さらなる高密度化の研究開発を継続していきます。

※1 「ナノメータ制御光ディスクシステムの研究開発」(旧通商産業省)、「大容量光ストレージ技術の開発」(経済産業省)

 

(2)当社は、現行製品である50インチのフルHDプラズマディスプレイに比べて、画素サイズを約40%に縮小した超高精細プラズマディスプレイの開発に成功しました。

平成18年10月に開催されたCEATEC JAPAN※2 2006においては、18インチのディスプレイ(解像度1,150×540画素)を出展し、大変高い評価を得ました。超高精細化のために画素を小さくすると、隣接セル同士の干渉による放電の不安定化や、放電空間が狭くなることによる発光効率の低下などの問題が生じますが、当社では、超微細加工プロセスやパネル構造等を新規開発することでこれらの問題を解決し、優れたディスプレイ性能を実現しました。

当社では、これまで培ってきた独自技術をさらに進化させ、プラズマディスプレイの特長を活かした次世代の超高精細パネルの開発を推進していきます。

※2 CEATEC JAPAN:アジア最大級の規模を誇る映像・情報・通信の国際展示会

 

(3)“3Dフローティングビジョン“は、専用メガネ無しで空間に立体的な映像を浮かべることが可能で、眼が疲れにくいといった特徴を持つ、これまでにない立体映像表示システムです。特殊な3D用マイクロレンズを用いて空間に映像を浮遊させるハードウェアと、物体の大小や明暗、陰影、コントラストなどの要素を盛り込んだソフトウェアとの相乗効果により、最適な立体感を作り出しました。

当社では、“3Dフローティングビジョン”の事業化に向けて、本格的な取り組みを進めていきます。昨年のCEATEC JAPAN 2006では、カーナビゲーションシステムなどの製品への展開例を出展して好評を得ました。今後も、多様な機器のユーザーインターフェースへの応用など、この技術の様々な用途を提案していきます。

 

また、当連結会計年度における事業の種類別セグメントごとの研究開発費は次のとおりです。

事業の種類別セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

ホームエレクトロニクス事業

25,836

+  8.5

カーエレクトロニクス事業

21,388

△  7.9

その他事業

11,998

      △ 26.9

合計

59,222

△  6.7

 


7【財政状態および経営成績の分析】

文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成19年6月28日)現在において当社グループが判断したものです。

(1)重要な会計方針および見積り

当社グループの連結財務諸表は、日本の証券取引法の規定に従って作成されているセグメント情報の開示を除き、米国において一般に認められた会計基準に従って作成されています。

 

重要な会計方針および見積りについては、「第5 経理の状況」の「連結財務諸表に対する注記」における[主要な会計方針の要約]において詳細を記載しています。

 

 (2)業績報告

①営業収入

売上高は、前連結会計年度に比べ6.2%増収の7,924億円となりました。国内売上高は、0.4%増収の2,336億円となりました。海外売上高は、8.8%増収の5,588億円となりました。また、特許料収入は前連結会計年度に比べて45.4%減収の47億円となりました。

ホームエレクトロニクス事業の売上高は、前連結会計年度に比べ3.9%増収の3,686億円となりました。国内売上高は、OEM(相手先ブランド生産)向けのプラズマディスプレイが減少したことにより、前年度に比べ19.7%減収の658億円となりました。海外売上高については、自社ブランドのプラズマディスプレイが増加したことにより、前年度に比べ11.0%増収の3,028億円となりました。プラズマディスプレイの売上は、自社ブランドが欧米で増加しましたが、OEMの減少により、前年度に比べて僅かに減少しました。なお、ホームエレクトロニクスの売上に占めるプラズマディスプレイの構成比は約48%となりました。また、DVDレコーダーの売上は減少しましたが、DVDドライブやDVD関連デバイス、DJ機器の売上は増加しました。

カーエレクトロニクス事業の売上高は、カーナビゲーションシステムとカーオーディオ製品の売上がともに増加したことにより、前連結会計年度に比べ8.3%増収の3,578億円となりました。カーナビゲーションシステムでは、市販市場向けが主に国内で増加したほか、OEMの売上も北米を中心に増加しました。カーオーディオ製品については、市販市場向けは中南米やロシアで売上が増加し、OEMは北米の売上は減少しましたが、国内や中国では増加しました。なお、当期のカーエレクトロニクス全体の売上に占めるOEMの構成比は約36%となりました。国内外別内訳では、国内売上高は市販市場向けのカーナビゲーションシステムやOEM向けのカーオーディオ製品の伸張により、前連結会計年度に比べ7.4%増収の1,263億円となりました。海外売上高は、市販市場向けカーオーディオ製品の売上が中南米やロシアで増加し、OEM向けカーナビゲーションシステムの売上が北米で増加したため、前連結会計年度に比べ8.7%増収の2,315億円となりました。

特許関連事業における特許料収入は、前連結会計年度に比べ45.4%減収の47億円となりました。これは、光ディスクに関する特許権のうち一部の期間が満了したことによります。

その他事業の売上高は、携帯電話用スピーカーユニットの売上は減少しましたが、FA(ファクトリーオートメーション)機器やパッシブマトリックス型有機ELディスプレイの売上が伸張したことにより、前連結会計年度に比べ7.8%増収の660億円となりました。国内売上高は、FA機器および有機ELディスプレイの売上が増加したため、前連結会計年度に比べ24.9%増収の415億円となりました。海外売上高は、携帯電話用スピーカーユニットの売上が減少したことから、前連結会計年度に比べ12.4%減収の245億円となりました。

 

②営業収入以外の収益

営業収入以外の収益には受取利息、固定資産売却益およびその他の収益が含まれます。受取利息は金利水準の上昇により、前連結会計年度の27億円から59億円に増加しました。固定資産売却益は増加しましたが、売却可能有価証券の売却益が減少したことにより、その他の収益は前連結会計年度の68億円から23億円に減少しました。

 

③売上原価及び費用

売上原価は前連結会計年度の5,932億円から増加して、6,144億円となりました。営業収入に対する売上原価の比率は、前連結会計年度の78.6%より1.5ポイント良化して77.1%となりました。この良化は主に、事業構造改革の効果によるものです。特に、プラズマディスプレイを始めとするホームエレクトロニクス製品の利益率が良化しました。

販売費及び一般管理費は前連結会計年度の1,781億円から80億円減少して、1,702億円となりました。事業構造改革の効果が、この減少の主な要因です。前連結会計年度に、当社およびグループ会社、計12社の従業員を対象とした特別退職優遇措置による退職者の募集を実施しました。この結果777名が退職し、それにより、当連結会計年度の販売費及び一般管理費および売上原価に含まれる人件費が減少しました。

売上原価および販売費及び一般管理費に含まれる研究開発費は6.7%減少して592億円となり、営業収入に対する比率は7.4%となりました。研究開発費は主に、カーナビゲーションシステム、プラズマディスプレイなど、当社の戦略製品の技術的優位性をさらに高めるための活動に使用されています。

固定資産売却廃棄損は、前連結会計年度と比べ13億円減少しました。前連結会計年度に、有機EL製品やプラズマディスプレイパネルの生産性向上を目的として、生産設備の処分を行ったことによる損失を計上したことが減少の主な要因です。

その他の費用は前連結会計年度の600億円から255億円に減少しました。減少は主として、前連結会計年度に事業構造改革の一環として計上した414億円の減損および141億円の特別退職金によるものです。当連結会計年度においては、プラズマディスプレイおよびDVD関連製品の利益性が悪化したため、これらの製品の生産設備を見直しました。その結果、グルーピングした資産の帳簿価格が見積公正価格を超過した金額につき、プラズマディスプレイ生産設備で204億円、DVD関連製品の生産設備で23億円の減損を計上しました。

 

④継続事業の税引前損失

以上の要因により、税引前損失は前連結会計年度の712億円から当連結会計年度は77億円となりました。

 

⑤法人税等

当連結会計年度は77億円の税引前損失に対して18億円の税金を計上しました。日本の標準実効税率による税額との差異は、主に欠損を計上した親会社および一部の子会社の繰延税金資産について評価性引当金を計上したことによるものです。

 

⑥少数株主損益

少数株主損益は、主として東北パイオニア株式会社およびその子会社の少数株主に帰属する損益からなり、前連結会計年度は48億円の利益であったのに対して、当連結会計年度は4億円の損失となりました。

 

⑦持分法による投資損益

持分法による投資損益は、前連結会計年度の240億円の損失に対し、当連結会計年度は3億円の利益となりました。主な要因は、前連結会計年度に、エルディス株式会社が行っていたTFT基盤事業からの撤退に伴い、同社の借入金253億円を引き受けたことによるものです。

 

非継続事業損益(税効果後)

当社グループは、前連結会計年度においてCATVソフトウェア開発子会社を、当連結会計年度において、電子部品事業子会社を売却しました。これに伴い、これらの子会社に係る営業成績や売却益は、「非継続事業損益(税効果後)」として表示しています。当連結会計年度の非継続事業損益は、前連結会計年度の8億円の利益に対し、28億円の利益となりました。

 

当期純損失

当期純損失は、前連結会計年度の850億円に対して、68億円となりました。基本的1株当たりの当期純損失は、前連結会計年度の487円23銭に対し、38円76銭となりました。

 

(3)流動性および資金の源泉

①キャッシュ・フロー

営業活動で得たキャッシュは、168億円と前連結会計年度より516億円減少しました。この営業活動によるキャッシュ・フローの減少は主に運転資産および負債の変動によるものです。運転資産および負債のうち、買掛金は主に、当連結会計年度第4四半期の生産高が減少したことに伴って減少しました。未払費用は、前連結会計年度末に計上した特別退職金の支払いにより減少しました。また、キャッシュの支出を伴わない持分法投資損失や固定資産の減損が減少したことも営業活動によるキャッシュ・フロー減少の要因となりました。前連結会計年度において、エルディス株式会社の借入金253億円を引き受け、持分法投資損失として計上しました。これらの要因により、当期純損失は減少したものの、営業活動で得たキャッシュは前連結会計年度に比べて減少しました。

投資活動で使用したキャッシュは165億円で、前連結会計年度の298億円に比べて133億円減少しました。前連結会計年度からの減少は、前連結会計年度に有価証券の売却があったものの、主に当連結会計年度に所沢工場の土地、建物および大森工場の土地、建物の一部の売却前受金141億円および子会社の売却による手取金109億円があったことによります。

財務活動で使用したキャッシュは、前連結会計年度の386億円から169億円減少し、217億円となりました。当連結会計年度の財務活動においては、主に長期債務、短期借入金の返済、配当金の支払にキャッシュを使用しました。長期債務、短期借入金の返済には170億円、配当金の支払いには13億円を使用しました。

これらの活動の結果、および為替レートの変動が海外子会社の現金及び現金同等物の円換算額に与えた影響により、現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末の1,217億円から199億円減少し、1,018億円となりました。

 

②資金需要

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、当社グループ製品製造のための材料および部品の購入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用です。営業費用の主なものは人件費および広告宣伝費、販売促進費等のマーケティング費用です。当社グループの研究開発費は様々な営業費用に含まれていますが、研究開発に携わる従業員の人件費が主要な部分を占めています。

当社グループは、営業活動により生み出されるキャッシュ・フローおよび③財務政策に記載されている手段により、将来の運転資金および設備投資資金を賄うための十分な資金を調達できると考えています。

 

③財務政策

当社グループは現在、運転資金および設備投資資金については、一般的に内部資金および借入またはエクイティ・ファイナンスにより調達することとしています。このうち運転資金に関しては、当社グループ各社が資金需要に応じて、期限が一年以内の短期借入により調達することが一般的です。平成19年3月31日現在、短期借入金の残高は120億円で、主な通貨は日本円、ユーロです。これに対して、生産設備などの長期性資金に関しては、株式・債券市場からの資金調達については日本で行い、金融機関からの長期借入については当社グループ各社が行っています。平成19年3月31日現在、長期借入金の残高は926億円で、平成23年満期ゼロクーポン転換社債型新株予約権付社債612億円(未償却プレミアム12億円を含む)、平成20年償還の無担保社債100億円、その他キャピタル・リース債務および金融機関からの長期借入金で構成されています。

当社グループの財務状態は健全であり、また営業活動によりキャッシュ・フローを生み出すことが可能であると考えております。これに加え、実行を確約していない2,644億円の未使用の借入枠により、当社グループの成長を維持するために将来必要な運転資金および設備投資資金を確保することが可能と考えています。


当社と日本および中国の当社の子会社4社は、平成17年5月に借入枠700億円、期間3年のグローバル・クレジット・ファシリティ契約を取引銀行と締結し、運転資金を効率的かつ安定的に調達することが可能になりました。なお、この借入枠のうち未使用分670億円は、前述の未使用の借入枠に含まれています。

 

④契約債務およびオフバランスシート契約

平成19年3月31日現在の契約債務の概要は次のとおりです。

 

 

(単位 億円)

 

年度別要支払額

契約債務

合 計

1年以内

1-3年

3-5年

5年後以降

長期借入金

914

66

169

664

15

オペレーティングリース

105

32

39

16

18

約定債務

355

355

-

-

-

支払利息

33

11

16

6

-

年金制度への企業拠出

71

71

-

-

-

(注)1. 長期借入金914億円には転換社債の未償却プレミアム12億円は含んでいません。

   2. 長期借入金はキャピタルリース債務を含んでいます。

3. 年金制度への拠出金額は昇給率、従業員数など多くの要因によって決定されます。

従って、翌連結会計年度の金額のみ見積計算を行い、それ以降の年度については計算していません。

 

平成19年3月31日現在の約定債務残高355億円には、材料、有形固定資産の発注残高、広告宣伝費の約定債務を含んでいます。また、この金額は、翌連結会計年度に計画されている資本的支出470億円の一部を含んでいます。

当社グループは関連会社の借入金の一部に関して、第三者に対し1年間の債務保証を行っています。保証した借入金の債務不履行が、1年間の保証契約期間内に発生した場合、当社グループが代わりに弁済する義務があります。平成19年3月31日現在、当社グループの債務保証に基づく将来における潜在的な要支払額の合計は、現在価値に割り引かない場合、2億円です。

当社グループは、以下の売掛債権流動化プログラムを行っています。

当社グループは米国において、適格な売掛債権の証券化を目的として、持分100%子会社であり倒産回避措置を設定した特別目的会社であるPUSA Receivables Funding Corporationを設立しました。倒産回避措置を設定した子会社は、当社グループ会社の倒産の影響を最大限避ける目的のために設立されています。このプログラムにより最大で100百万米ドルの適格な売掛債権を、償還請求なしでリボルビング方式により、銀行が保有する第三者である導管体(Conduit)に売却することができます。

これらの証券化取引は、当社グループが債権に対する償還請求権を放棄したことから、米国財務会計基準審議会基準書第140号「金融資産の譲渡およびサービス業務ならびに負債の消滅に関する会計処理」に基づいて、売却として会計処理されています。このプログラムにより、当連結会計年度において合計で187億円の売掛債権を売却しました。当社グループは日本においてもいくつかの適格な売掛債権の証券化プログラムを設定しました。これらのプログラムにより、償還請求権なしで売掛債権を金融機関に売却することができます。これらの取引は当社グループが債権に対する償還請求権を放棄したため、同基準書第140号に基づいて売却として会計処理されています。これらのプログラムにより当連結会計年度において117億円の売掛債権を売却しました。当社グループは取引の選択肢を多様化させ、キャッシュ・フローを管理する上での柔軟性を増やすためにこのプログラムを利用しています。従って、このプログラムを利用しなくても当社グループのキャッシュ・フロー管理に重大な影響が生じるものではありません。

 





出典: パイオニア株式会社、2007-03-31 期 有価証券報告書