第2 【事業の状況】
1 【業績等の概要】
(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、世界経済の回復を背景に輸出や生産が増加基調となるなど持ち直しに向かっていました。しかしながら、3月11日に発生した東日本大震災の甚大な被害と長引く原子力災害による影響、更には欧州の財政問題に端を発した金融資本市場の動揺と欧米の景気下振れ懸念など依然として先行き不透明な状況で推移しました。
化学業界は、震災の復興需要などにより回復する傾向が見られましたが、急激な円高の進展もあり予断を許さない事業環境が続きました。
農薬業界をとりまく状勢は、海外においては、世界人口の増加、新興国の所得水準の向上等に伴い穀物需要が増大しましたが、国内においては東日本大震災による塩害や原子力災害による風評被害など農作物の作付面積に影響が及びました。
このような状況のもと、当社グループといたしましては、安定的な生産を維持するとともに中期的視点に立った投資計画の策定、新製品調達手段の最適化と顧客への能動的活動の徹底による競争力の確保、効率的生産と改善によるコストダウン等収益改善に努めました。
以上の結果、当連結会計年度は、売上高は、前連結会計年度比13.0%増の257億1千3百万円となりました。収益面では、農薬事業の主力原体の需要増やコストダウンにより、経常利益は、前連結会計年度比34.2%増の27億5百万円となりました。当期純利益は、前連結会計年度比19.6%増の15億4千8百万円となりました。
セグメント別売上高概況は以下のとおりであります。
なお、当連結会計年度からセグメント区分を変更したため、各セグメントの前年同期との金額比較は記載しておりません。
<農薬事業>
除草剤、殺菌剤、その他、農薬原料を主とした農薬事業につきましては、国内用の水稲用除草剤・水稲用殺菌剤の減少はありましたが、輸出の棉花用除草剤、畑作用除草剤の増加、新規除草剤等により、当事業の売上高は136億7千9百万円、営業利益は22億7千5百万円となりました。
<化成品事業>
トルエン・キシレン系化学品、精密化学品、産業薬品を主とした化成品事業につきましては、トルエン系化学品有機中間体及びアミン類の減少はありましたが、キシレン系化学品有機中間体及び医薬中間体の増加により、当事業の売上高は110億6千3百万円、営業利益は8億7千1百万円となりました。
<その他>
その他の事業につきましては、バイオ製品・公害防止薬品・機器等の製造、販売等をしており、当事業の売上高は9億6千9百万円、営業利益は9百万円となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ ・フローは、前連結会計年度比で7億9千6百万円収入が減少し、32億7千9百万円の収入となりました。これは、主として法人税等の支出額の増加等によるものです。
投資活動によるキャッシュ ・フローは、前連結会計年度比で6億3千8百万円支出が減少し、11億8千万円の支出となりました。これは、投資有価証券、有形固定資産の取得等によるものです。
財務活動によるキャッシュ ・フローは、前連結会計年度比で0百万円が支出が減少し、5億6千9百万円の支出となりました。これは、短期借入金の返済、配当金の支払等によるものです。
以上の結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末残高に比べ15億2千5百万円増加し、82億7千6百万円となりました。
2 【生産、受注及び販売の状況】
(1) 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称
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金額(百万円)
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前年同期比(%)
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農薬事業
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11,488
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−
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化成品事業
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8,178
|
−
|
|
その他
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170
|
−
|
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合計
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19,837
|
−
|
(注) 1. 金額は、製造原価によっております。
2. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称
|
金額(百万円)
|
前年同期比(%)
|
|
農薬事業
|
1,639
|
−
|
|
化成品事業
|
2,712
|
−
|
|
その他
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900
|
−
|
|
合計
|
5,253
|
−
|
(注) 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(3) 受注状況
受注生産は行っておりません。
(4) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称
|
金額(百万円)
|
前年同期比(%)
|
|
農薬事業
|
13,679
|
−
|
|
化成品事業
|
11,063
|
−
|
|
その他
|
969
|
−
|
|
合計
|
25,713
|
−
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(注)1. 主な相手先の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
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相手先
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前連結会計年度
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当連結会計年度
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||
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金額(百万円)
|
割合(%)
|
金額(百万円)
|
割合(%)
|
|
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クミアイ化学工業㈱
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7,248
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31.8
|
9,393
|
36.5
|
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SYNGENTA ASIA PACIFIC PTE.LTD.
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2,496
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11.0
|
3,441
|
13.4
|
2. 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
なお、当連結会計年度からセグメント区分を変更したため、各セグメントの前年同期との金額比は記載しておりません。
3 【対処すべき課題】
先行きのわが国経済は、震災の復興需要と堅調な新興国経済などを背景として持ち直しの動きが続くものとみられますが、欧米を中心とした景気下振れ懸念と急速な円高など不確実な要素も払拭できない状況にあります。
かかる状況下で、当社グループといたしましては、中期的視点に立った販売予測を充分に反映した調達・投資方法の最適化や、調達・生産面での継続的な原材料費削減努力により、既存製品及び本格上市となる新製品の採算性を強く意識した取組みを実施するとともに、顧客価値実現に向けた能動的な取り組みの推進強化に向け、不断の努力を重ねてまいる所存でございます。
4 【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性がある事項には、以下のようなものがあります。
ただし、これら事業等のリスクは、当連結会計年度末現在において判断したものであり、全てを網羅したものではありません。
① 経済状況
当社グループが製品を販売し、又は、原材料、商品・製品を購入している諸外国の経済状況あるいは顧客企業の業績状況の変化等により需要の減少、値下げ要求、購入価格の値上げが発生した場合、当社グループの経営成績ならびに財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
② 為替変動
当社グループの当連結会計年度における海外売上高は、連結売上高のおよそ半分を占めており、当社グループは為替相場の変動によるリスクを回避する目的で出荷時為替予約、円建輸出取引を実施しておりますが、すべてのリスクを回避することは不可能であり、為替相場の変動は、当社グループの経営成績ならびに財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
③ 原材料価格の変動
当社グループが使用する主要原材料は原油を基礎原料としているため、原油価格については中東情勢・需給バランス等の様々な要因により変動しますので、原油価格の上昇に伴う原材料価格の上昇は、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
④ 研究開発
当社グループは、新製品の上市、新技術の確立を目指して、積極的に研究開発を行っております。当社グループの研究開発は、新農薬の合成及び次世代事業の創生のための探索研究を含んでいるため、研究開発期間が長期化する場合があります。また、新製品の開発、新技術の確立が遅延したり断念せざるを得ない場合には、当社グループの経営成績ならびに財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 地震等の自然災害
当社グループの生産拠点は静岡県に集中しており、東海地震の対象地域となっております。当社グループでは、地震対策として設備等の耐震構造の強化を実施しておりますが、地震が発生した場合には、生産活動の停止及び設備の破損等により、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
5 【経営上の重要な契約等】
(1) 売買契約
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契約会社名
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契約締結先
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契約内容
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契約締結年月日
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有効期間
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イハラケミカル
工業㈱ (当社)
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クミアイ化学
工業㈱
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農薬原体及びその加工品に関する契約
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平成4年3月27日
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平成4年3月27日から平成4年10月31日までとし、いずれかの申出がない限り、更に1年間有効、以後同様とする。
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(2) 研究委託契約
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契約会社名
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契約締結先
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契約内容
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契約締結年月日
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有効期間
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イハラケミカル
工業㈱ (当社)
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㈱ケイ・アイ研究所
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当社及びクミアイ化学工業株式会社と共同して農薬を主とした新製品開発のため、新規化合物の合成およびその選抜評価研究の委託に関する基本契約
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昭和56年10月31日
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昭和56年11月1日から10年間とし、いずれかの申出がない限り、更に1年間有効、以後同様とする。
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6 【研究開発活動】
当社グループは、クミアイ化学工業株式会社と共同で開発している新農薬の原体製造を担っており、新規製造法、新規技術を開発しコスト競争力のある製品に仕上げるべく研究活動を実施しております。また、それらの有機合成技術を生かして他社開発の農薬及び医薬の原料、中間体、並びに機能材料中間体の製造研究などに取り組んでおります。更に、分析業務では、信頼性を保証するGLP制度に沿い運営されており、農林水産省より適合施設としての認定を受けております。
当連結会計年度における当社グループ全体での研究開発要員数は81名であり、研究開発費の総額は16億7千4百万円であります。
セグメントの研究開発活動を示すと次のとおりであります。
農薬事業
新農薬の創製研究につきましては、クミアイ化学工業株式会社と共同で設立した株式会社ケイ・アイ研究所は新規化合物の合成を、クミアイ化学工業株式会社は生物評価・製剤化検討を、そして、当社は有望化合物の工業的製造法の研究を、それぞれ担当しております。それら会社間の有機的かつ効率的な運営に努める中、選び出された新農薬を、クミアイ化学工業株式会社と共同で開発しております。その中、畑作用除草剤である「ピロキサスルホン」は、豪州において2011年11月11日付けで農薬登録が認可されました。また、新規園芸用殺菌剤「ファンタジスタ」の有効成分である「ピリベンカルブ」や水稲用除草剤「フェノキサスルホン」についても、日本において登録を既に申請しており、鋭意、早期の製品化に取り組んでおります。
化成品事業
クロロトルエン・クロロキシレン系化学品、医農薬中間体、精密化学品、産業薬品を主とした化成品事業につきましては、当社グループの保有原料及び独自の技術・設備を生かした市場競争力のある製品開発に取り組んでおります。ウレタン用アミン系硬化剤、及びその関連化学品につきましては改良研究、試験販売を行いながら用途拡大に努めております。
その他
ファフィア酵母(飼料添加剤)等のバイオ製品につきましては、発酵バイオ技術を利用した新製品の開発に取り組んでおります。
7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 財政状態の分析
当連結会計年度末における総資産の残高は442億8千9百万円となり、前連結会計年度末と比べ14億4千2百万円増加しました。
流動資産の残高は、現金及び預金等の増加により、前連結会計年度末と比べ12億5千5百万円増加し241億8千1百万円となりました。
固定資産の残高は、投資有価証券等の増加により、前連結会計年度末と比べ1億8千6百万円増加し201億7百万円となりました。
流動負債の残高は、支払手形及び買掛金、短期借入金等の減少により、前連結会計年度末と比べ3億8千1百万円減少し76億8千1百万円となりました。
固定負債の残高は、退職給付引当金、繰延税金負債等の増加により、前連結会計年度末と比べ2億1千万円増加し25億7千5百万円となりました。
純資産は、利益剰余金の増加等により、前連結会計年度末と比べて16億1千3百万円増加し、340億3千2百万円となりました。
(2) 経営成績の分析
① 概要
当連結会計年度の経営成績について、売上高は、前連結会計年度比13.0%増の257億1千3百万円となりました。収益面では、農薬事業の主力原体の需要増やコストダウンにより、経常利益は、前連結会計年度比34.2%増の27億5百万円となりました。当期純利益は、前連結会計年度比19.6%増の15億4千8百万円となりました。
なお、セグメント別の売上高分析は、「1業績等の概況(1)」業績をご覧ください。
② 売上原価、販売費及び一般管理費
売上原価は、前連結会計年度比21億7千6百万円増の188億9百万円、販売費及び一般管理費は、前連結会計年度比2億4千5百万円増の45億8千万円となりました。
③ 営業外収益、営業外費用
営業外収益は、主に受取配当金の増加により、前連結会計年度比8千7百万円増の4億2千5百万円、営業外費用は、前連結会計年度比7千万円減の4千3百万円となりました。
④ 当期純利益
当期純利益は、前連結会計年度比2億5千4百万円増の15億4千8百万円となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、資金という。)は前連結会計年度末残高に比べ15億2千5百万円増加し、82億7千6百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ ・フローは、前連結会計年度比で7億9千6百万円収入が減少し、32億7千9百万円の収入となりました。これは、主として法人税等の支出額等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ ・フローは、前連結会計年度比で6億3千8百万円支出が減少し、11億8千万円の支出となりました。これは、投資有価証券、有形固定資産の取得等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ ・フローは、前連結会計年度比で0百万円支出が減少し、5億6千9百万円の支出となりました。これは、短期借入金の返済、配当金の支払等にによるものです。