(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、年度前半におきましては、政府の経済対策の効果や新興国を中心とした好調な外需により、企業業績は緩やかな回復傾向となりましたが、東日本大震災及び福島第一原子力発電所の事故に伴う電力供給問題などにより生産活動は大きく低下しました。年度後半におきましても、サプライチェーンの復旧に伴い一部に持ち直しの動きが見られたものの、欧州の債務危機の深刻化や歴史的な円高などにより、厳しい経営環境が続きました。
このような状況のもと、当社グループは顧客ニーズに即した環境対応型製品や高機能性樹脂製品の開発に注力し、積極的な営業活動を展開した結果、当連結会計年度における売上高は13,049百万円(前年同期比9.1%増)となりました。
一方、利益面におきましては、継続的に経費削減に取組みましたが、原材料価格が高値で推移したことにより、営業利益1,111百万円(前年同期比1.4%増)、経常利益1,160百万円(前年同期比4.2%増)、当期純利益518百万円(前年同期比0.6%減)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
① 塗料事業
金属用塗料分野では、工作機械関連の需要が好調に推移したことや、低温型塗料の拡販による新規取引の増加により、売上高は前年に比べ増加しました。木工建材用塗料では大手ユーザーでのシェアアップは図れたものの、塗装レス製品の需要が増加した影響を受け、売上高は前年を下回りました。無機建材用塗料分野では、大手ユーザーにおいて前連結会計年度に提案された製品によるシェアアップ効果により、売上高は前年に比べ大きく増加しました。その他の分野では、樹脂素材分野の携帯情報端末メーカーへの需要は低調であったものの、シンナーにおいて販売体制を見直し積極的な営業活動を実施した結果、新規ユーザーの取引が増加し、売上高は前年に比べ大幅に増加しました。
その結果、塗料事業における当連結会計年度の売上高は10,946百万円(前年同期比8.6%増)、セグメント利益は1,279百万円(前年同期比1.8%減)となりました。
② ファインケミカル事業
LCD用微粒子は、液晶用ビーズスペーサー使用の需要は低調な状況であったため、売上高は前年に比べ大幅に減少いたしました。化成品におけるシリコン系表面機能材料や光学材料向けの機能性コーティング材は、海外メーカーの生産が堅調に推移したことで需要が伸び、売上高は前年に比べ大幅に増加しました。
その結果、ファインケミカル事業における当連結会計年度の売上高は1,923百万円(前年同期比10.5%増)、セグメント利益は379百万円(前年同期比15.4%増)となりました。
③ 産業廃棄物収集運搬・処分事業
産業廃棄物の収集運搬・処分においては、再生シンナー生産設備の増強に伴い、廃溶剤の取扱範囲が拡大し、廃棄物の取扱量が増加したことにより、売上高は前年に比べ増加しました。
その結果、産業廃棄物収集運搬・処分事業における当連結会計年度の売上高は179百万円(前年同期比20.4%増)、セグメント利益は37百万円(前年同期比21.7%増)となりました。
(2) キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末より325百万円増加し、当連結会計年度末には4,508百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、786百万円(前年同期は1,660百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益1,149百万円、減価償却費531百万円、仕入債務の増加359百万円による資金の増加と売上債権の増加254百万円、たな卸資産の増加154百万円、法人税等の税金の支払735百万円による資金の減少によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、343百万円(前年同期は1,258百万円の支出)となりました。これは主に資金運用における定期預金の払戻、有価証券の償還・信託受益権の売却による収入4,159百万円による資金の増加と有形固定資産の取得による支出348百万円、資金運用における定期預金の預入、有価証券、信託受益権及び投資有価証券の取得による支出4,137百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は117百万円(前年同期は102百万円の支出)となりました。これは配当金の支払117百万円によるものであります。
(1)生産実績
生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成22年11月1日 至 平成23年10月31日) |
前年同期比(%) | |
|
塗料事業(千円) |
11,100,377 |
− | |
|
|
金属用塗料(千円) |
4,035,239 |
− |
|
|
木工建材用塗料(千円) |
2,085,263 |
− |
|
|
無機建材用塗料(千円) |
2,813,159 |
− |
|
|
その他(千円) |
2,166,716 |
− |
|
ファインケミカル事業(千円) |
1,946,048 |
− | |
|
合計(千円) |
13,046,426 |
− | |
(注)1.金額は販売価格で表示しており、消費税等は含まれておりません。
2.上記の実績のうちには、外注生産によるものが各種類ごとに含まれております。
3.改正後の「セグメント情報」の適用初年度であり、上記セグメントの区分による前連結会計年度の金額のデータを入手することが困難であるため、前年同期比は記載しておりません。
(2)受注実績
主として見込生産によっており、受注及び受注残高について特に記載すべき事項はありません。
(3)販売実績
販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成22年11月1日 至 平成23年10月31日) |
前年同期比(%) | |
|
塗料事業(千円) |
10,946,152 |
8.6 | |
|
|
金属用塗料(千円) |
3,975,255 |
− |
|
|
木工建材用塗料(千円) |
2,061,536 |
− |
|
|
無機建材用塗料(千円) |
2,781,169 |
− |
|
|
その他(千円) |
2,128,191 |
− |
|
ファインケミカル事業(千円) |
1,923,879 |
10.5 | |
|
産業廃棄物収集運搬・処分事業(千円) |
179,045 |
20.4 | |
|
合計(千円) |
13,049,077 |
9.1 | |
(注)1.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 平成21年11月1日 至 平成22年10月31日) |
当連結会計年度 (自 平成22年11月1日 至 平成23年10月31日) | ||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) | |
|
ニチハ㈱ |
2,132,201 |
17.8 |
2,499,423 |
19.2 |
2.金額には消費税等は含まれておりません。
今後の経済状況は、東日本大震災からの復興需要を契機に緩やかな回復に向かうものと見込まれますが、欧州諸国での金融市場の混乱や円高の長期化による影響など、先行きについては不確実性が高まってきており、予断を許さない状況が続くと見込んでおります。
このような状況のもと、当社グループは、顧客ニーズ・要求を先取りした技術・製品開発に取組み、独自性と高付加価値で優位性を持つ製品を安定かつ継続的に提供し、顧客との信頼関係を高めシェアの拡大と新用途への展開に取組んでまいります。また、グループを挙げてグローバル化を推進する中で、生産及び販売の現地化を進めるとともに、徹底したコストの低減に取組み、収益性の向上を図ります。
一方、環境に対する規制が厳しさを増す中、環境との調和のある成長を重点課題のひとつと位置付け、環境に負荷の少ない商品開発、環境リスクの少ない生産方法を追求し、環境保全、快適な社会づくりに貢献してまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(平成23年10月31日)現在において判断したものであります。
(1)需要業界の動向について
当社グループの製品は、金属、機械、電機、住宅を始め多分野の業界において生産財として使用されており、これらの業界の需要が低迷した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2)製品・原材料価格について
当社グループの製品市場において需要の変化、競争の激化等の要因により、販売価格が下落した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループの製品の生産に使用する原材料には石化原料が多く、原油価格や為替の動向が大きく影響を与えます。市況によって原材料価格が上昇した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(3)法的規制について
当社グループは消防法を始めとして環境六法(大気・水質・土壌・騒音・振動・悪臭)、毒物劇物取締法、廃掃法(廃棄物の処理関係)、PRTR法、工場立地法、電気事業法、高圧ガス保安法、建築基準法、省エネ法、REACH規制、ROHS指令やグリーン調達対応等さまざまな法的規制の適用を受けております。これらの法規制を遵守できなかった場合、事業活動が制限される可能性があるとともに、法規制を遵守するための費用が、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(4)新製品開発について
当社グループは顧客や市場のニーズに対応した新製品・新技術の開発を行っておりますが、急激な技術の進歩、代替製品の出現等により最適な時期に最適な新製品の提供ができなかった場合には、将来の成長と収益性を低下させ、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(5)製造物責任について
当社グループは、厳格な品質管理基準のもとに製品の製造を行っておりますが、製品に重大な欠陥が発生しないという絶対の保証はありません。また、製造物責任賠償については保険に加入しておりますが、大規模な製造物責任賠償やリコールにつながるような製品の欠陥は、多額の費用や当社グループの製品の信頼性や社会的評価に重大な影響を与えることとなり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(6)海外事業について
当社グループは中国において事業活動を行っており、予期しない法律または規制の変更、為替レートの変動、人材の採用と確保の難しさ、その他経済的、社会的及び政治的混乱等のリスクが内在しております。これらのリスクが顕在化した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(7)大規模災害等について
当社グループの製造拠点等の主要施設については、大規模地震を想定した防災訓練及び定期的な災害防止活動や設備点検を行っておりますが、これらの災害による影響を完全に防止または軽減できる保証はありません。また、国内製造拠点は愛知県に集中しており、耐震対策を進めておりますが、大規模な東海地震等が発生した場合には、甚大な損害を受け、生産活動の停止や製品供給の遅延、製造拠点の修復等により、当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(8)為替相場の変動について
当社グループは中国に子会社を設置しており、外貨建ての売上、費用、資産、負債等の項目は、連結財務諸表作成のために邦貨換算しております。したがって換算時の為替相場の変動により当社グループの連結業績に影響を与える可能性があります。
該当事項はありません。
当社グループは、地球・人にやさしい環境対応型商品の開発、業界でのシェアアップに向けた差別化商品の開発、更に電子材料関連分野等で要求される高度な機能を備えた高分子材料技術・製品の開発に取組んでおります。
当社グループの研究開発体制につきましては、顧客ニーズを反映した商品企画、開発、改良が必要とされるテーマを各事業の開発部門が担当し、開発技術の根幹となる樹脂合成・色彩・分散・塗装技術等の各分野にわたる長期的な基礎研究を研究所が担当しております。
当連結会計年度における研究開発費は948百万円であり、セグメントの状況は次のとおりであります。
①塗料事業
金属用塗料分野では、低温型アクリル焼付塗料を上市し、市場に展開致しました。また、粉体塗料の低温化、高平滑化の開発研究を進めるとともに、新規架橋システムの実用化に向けて取組んでおります。
木工建材用塗料分野では、木質感をより強く表現できる意匠提案、印刷技術を用いた塗装仕様開発を行いました。また、海外進出する建材メーカーへの塗料・仕様提案に取組んでおります。
無機建材用塗料分野では、高耐久性塗料や業界のニーズに沿った機能性塗料の開発及びユーザーにおけるトラブル防止仕様の確立に継続して取組んでおります。
その他の分野では、樹脂素材分野の難付着素材に対応可能な塗料の開発やユーザーの求める触感の実現に注力するとともに、既存機能性塗料の新規ユーザーへの応用展開に取組んでおります。
当事業に係る研究開発費は438百万円であります。
②ファインケミカル事業
LCD用微粒子分野においては、合成や表面処理などのスペーサー技術を応用した製品開発に継続して取組んでおります。化成品分野では、フィルム用の新規機能性コーティング剤の開発に継続して取組んでおります。
当事業に係る研究開発費は267百万円であります。
③産業廃棄物収集運搬・処分事業
研究開発活動は行っておりません。
④基礎研究
基礎研究は樹脂開発、分散技術、塗装技術、色彩技術で構成されており、樹脂開発では塗料用樹脂の合成、分散技術では顔料の表面処理の開発、塗装技術ではインクジェット技術の検討、色彩技術では新規意匠・新規デザインの提案を行いました。
基礎研究に係る研究開発費は242百万円であります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成において、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積り及び判断は、過去の実績やその時点で入手可能な情報に基づいた合理的と考えられるさまざまな要因を考慮した上で行っていますが、実際の結果は、見積りによる不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
(2)財政状態の分析
当連結会計年度末の総資産は16,965百万円(前連結会計年度末は16,386百万円)となり579百万円増加いたしました。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は11,680百万円(前連結会計年度末は10,853百万円)となり827百万円増加いたしました。主な要因としましては、現金及び預金698百万円、受取手形及び売掛金255百万円、商品及び製品128百万円、信託受益権103百万円の増加と、有価証券363百万円の減少によるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は5,285百万円(前連結会計年度末は5,533百万円)となり248百万円減少いたしました。主な要因としましては、有形固定資産の取得366百万円、無形固定資産の取得43百万円、投資有価証券84百万円による増加と、有形固定資産の減価償却492百万円、無形固定資産の減価償却39百万円、長期預金200百万円の減少によるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は3,836百万円(前連結会計年度末は3,835百万円)となり1百万円増加いたしました。主な要因としましては、支払手形及び買掛金358百万円の増加と、未払法人税等275百万円、未払金が92百万円減少したことによるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は466百万円(前連結会計年度末は425百万円)となり40百万円増加いたしました。主な要因としましては、繰延税金負債13百万円、役員退職慰労引当金15百万円の増加によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は12,662百万円(前連結会計年度末は12,125百万円)となり537百万円増加いたしました。主な要因としましては、当期純利益518百万円の計上による増加と、利益剰余金の配当117百万円の減少によるものであります。
(3)経営成績の分析
当連結会計年度における売上高は13,049百万円(前年同期比9.1%増)、営業利益1,111百万円(前年同期比1.4%増)、経常利益は1,160百万円(前年同期比4.2%増)、当期純利益は518百万円(前年同期比0.6%減)となりました。
(売上高)
塗料事業の金属用塗料分野は、工作機械関連の需要が好調であったことや低温型塗料の拡販による新規取引が増加しました。建材用塗料分野では、無機建材用塗料において前連結会計年度に提案した製品による大手ユーザーでのシェアアップ効果により需要は堅調に推移しました。その他の分野においては、樹脂素材分野での情報携帯端末メーカーの需要は低調であったものの、シンナーにおいて販売体制を見直し積極的な営業活動を実施した結果、新規ユーザーの取引が増加しました。その結果、当連結会計年度の売上高は10,946百万円となりました。
ファインケミカル事業のLCD用微粒子は、液晶用ビーズスペーサーの需要は低調な状況で推移しました。化成品におけるシリコン系表面機能材料や光学材料向けの機能性コーティング材は、海外メーカーの需要が堅調に推移しました。その結果、当連結会計年度の売上高は1,923百万円となりました。
産業廃棄物収集運搬・処分事業においては、再生シンナー生産設備の増強に伴い廃溶剤の取扱範囲が拡大し、廃棄物の取扱量が増加しました。その結果、当連結会計年度の売上高は179百万円となりました。
(営業利益)
売上原価は、9,662百万円(前年同期比10.7%増)となりました。主な要因としましては、原材料価格の高騰によるものであります。
販売費及び一般管理費は、2,274百万円(前年同期比6.5%増)となりました。主な要因としましては、人員の増加による人件費の増加によるものであります。
以上の結果、当連結会計年度の営業利益は1,111百万円(前年同期比1.4%増)となりました。
(経常利益)
営業外収益は、61百万円(前年同期比15.7%増)となりました。主なものは、受取利息10百万円、有価証券評価益11百万円であります。
営業外費用は、13百万円(前年同期比64.2%減)となりました。主なものは、売上割引10百万円であります。
以上の結果、当連結会計年度の経常利益は1,160百万円(前年同期比4.2%増)となりました。
(当期純利益)
特別利益は、17百万円(前年同期比185.4%増)となりました。主なものは、貸倒引当金戻入額16百万円であります。
特別損失は、28百万円(前年同期比26.3%増)となりました。主なものは、資産除去債務会計基準の適用に伴う影響額15百万円であります。
当連結会計年度における税効果会計適用後の法人税等の負担率は43.0%(前連結会計年度41.9%)になっております。
以上の結果、当連結会計年度の当期純利益は518百万円(前年同期比0.6%減)となりました。
(4)資本の財源及び資金の流動性についての分析
①流動性と資金の源泉
当連結会計年度の現金及び現金同等物の期末残高は4,508百万円となり、前連結会計年度と比較して325百万円増加しております。なお、当連結会計年度において409百万円の設備投資を実施しており、資金の調達につきましては、全額自己資金によっております。
②キャッシュ・フロー
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」に記載の通りです。