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第2【事業の状況】
1【業績等の概要】
(1)業績
 当期におけるわが国経済は、原油高や商品市況の高騰など懸念材料があったものの、企業収益が改善し設備投資が増加するなど、景気は緩やかな回復基調で推移しました。これによる雇用者所得や個人消費の改善も見られましたが、その伸びは力強さに欠け、好況感にはもの足りないものにとどまりました。
 菓子業界におきましては、天候不順による売上不振、原油高や原材料、包装資材価格等の高騰が損益に影響を及ぼし、厳しい商況となりました。また、食品に対する安全・安心や健康に対する顧客の関心は非常に高く、企業の取り組み姿勢が問われております。
 このような環境のなかで、当社は、『菓子を通じて、感動と和みのある心豊かな生活シーンの提案をする』という企業理念に基づき、顧客志向の経営に取り組むとともに、コスト削減を継続的に推し進め、経営基盤強化、損益状況の改善に積極的に取り組んでまいりました。
 具体的には、直営店部門で不採算であった東生駒店を平成18年8月20日に、同じく洛北店を平成18年10月25日に閉店しました。洛北店の土地および建物は同10月31日付で売却し、売却収入のうち一部を借入金の返済に充当いたしました。他方、新規出店として平成18年10月13日に長滝店を、平成18年12月13日に納花店を新設いたしました。また、販売面では「なつのかし」、「もちもち」、「栗山楽」、「豆果」などギフト好適品や自家需要商品を新発売するなど商品群の強化にも鋭意、取り組みました。さらに、原材料や包装資材、燃料費等の高騰による原価増を吸収すべく諸経費、在庫等の管理を徹底するとともに、生産性の向上に努めました。
 これらの結果、当期の売上高は、直営店部門におきましては、前期より5百万円減少し、965百万円(前期比99.4%)となりました。
 百貨店部門におきましては、前期より22百万円減少し、640百万円(前期比96.6%)となりました。
 スーパー部門におきましては、前期より1百万円増加し、340百万円(前期比100.3%)となりました。
 喫茶部門におきましては、前期より0百万円減少し、82百万円(前期比99.0%)となりました。
 その結果、当期の売上高は、前期より15百万円減少し、2,201百万円(前期比99.3%)となりました。
 売上高は前期より15百万円の減少となり、売上原価や諸経費の改善努力をしたものの、営業利益は57百万円(前期比18.4%減)となりました。
 しかしながら、借入金の利息負担が減少したこともあり、経常利益は47百万円(前期比4.5%増)を計上することができ、2期連続の経常黒字となりました。また、当期純利益段階では、第56期(平成12年3月期)以降、7期ぶりに17百万円の黒字転換(前期は155百万円の純損失)となりました。
 なお、平成16年12月8日付で策定した改善計画では、①売上拡大 ②経費削減 ③人件費効率・生産性向上 ④生産・流通面効率化を課題項目とし、平成16年度中から平成18年度を継続的な取組み期間と位置づけ、徹底的なコスト削減に取組むとともに、不採算店舗の閉鎖と新規出店など損益基盤と財務体質の改善に努めてまいりました。 
 その結果、当期末において同計画策定前の平成15年度と比較すると、営業利益率は所期の目標には届かなかったも     のの0.7%から2.6%に上昇し、期末有利子負債残高は750百万円から584百万円に減少するなど、一定の成果を上げることができました。
 
(2)キャッシュ・フローの状況
  当事業年度における現金及び現金同等物は、有形固定資産の売却による収入があったものの短期借入金の返済や長期未払金の支払等があったため、前期末に比べ7百万円減少し、135百万円となりました。
 (営業活動によるキャッシュ・フロー)
 営業活動によるキャッシュ・フローは、前事業年度は123百万円の増加でしたが、当事業年度においては9百万円の減少となりました。これは、税引前当期純利益28百万円を計上したものの、飯倉ホールディングス株式会社に対する短期貸付金967百万円を回収不能と判断し、同額貸倒引当金を取崩したこと、たな卸資産が10百万円増加したこと、東生駒店の閉店損失18百万円が発生したこと、長期未払金の減少(未払退職金の支払54百万円)などがあったことによるものであります。
 (投資活動によるキャッシュ・フロー)
 投資活動によるキャッシュ・フローは、前事業年度は20百万円の減少でしたが、当事業年度においては、79百万円の増加となりました。これは主に、新規出店(長滝店、納花店)に伴う有形固定資産の取得による支出19百万円があったものの、洛北店の土地、建物等有形固定資産の売却による収入105百万円を計上したことなどによるものであります。
 (財務活動によるキャッシュ・フロー)
 財務活動によるキャッシュ・フローは、前事業年度は32百万円の減少でしたが、当事業年度は77百万円の減少となりました。これは主に、洛北店の土地、建物等有形固定資産を売却したことにより、短期借入金の一部を返済し、有利子負債の圧縮を行ったこと等によるものであります。
2【生産、受注及び販売の状況】
(1)生産実績
製品別
第63期
平成18年4月1日〜平成19年3月31日
金額(千円)
前期比(%)
羊羹
163,199
114.9
缶詰
96,774
106.2
饅頭
345,413
94.4
煎餅
38,969
137.8
その他
150,463
104.3
794,820
103.0
 (注)1 金額算出の基準は各期の製造原価によっております。
2 その他は羊羹、缶詰、饅頭等の詰合わせに使用された容器類等を含んでおります。
3 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)仕入商品実績
品別
第63期
平成18年4月1日〜平成19年3月31日
金額(千円)
前期比(%)
缶詰
45,037
90.3
饅頭
154,395
102.9
煎餅
78,738
77.0
その他
149,163
108.1
427,334
97.1
 (注)1 生産実績に含まれない仕入商品であります。
2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(3)受注状況
 当社の製品は需要周期が安定しており、一部製品を除いて見込生産によっております。
(4)販売実績
① 販売経路
 主たる販売先は当社直営店並びに全国の有名百貨店、小売店に対する直販経路によります。
② 販売実績
販売先別
第63期
平成18年4月1日〜平成19年3月31日
金額(千円)
前期比(%)
直営店
965,554
99.4
百貨店
640,061
96.6
スーパー
340,837
100.3
喫茶部門
82,564
99.0
その他
172,007
108.3
合計
2,201,025
99.3
 (注)1 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
2 総販売実績に対する割合が
10
を超える相手先はありません。
100
3【対処すべき課題】
 景気は、大手企業を中心に順調に推移しつつある一方、個人消費は盛り上がりに欠けるなど、その先行きや今後の見通しについては注視が必要な状況にあります。また、世界経済の動向や環境問題、食品の安全・安心問題など、さらに少子高齢化、人口減少問題などが影響を及ぼし、菓子業界においては今後も厳しい環境が続くものと予測されます。
 このような状況下、当社は、従来に増して経営改善努力を行い経営基盤強化に取り組むとともに、お客様に最大の付加価値、利便性をご提供させていただくことを目標に掲げて、社員一同、全力で取り組む姿勢であります。
 さて、当社が平成15年12月に実施した第三者割当増資が架空の増資であるとして、当社の前代表取締役社長、前取締役経理部長兼総務部長が逮捕、起訴された事件の判決公判が、平成18年10月25日に大阪地方裁判所でありました。その中で、株式の払込みは全額無効であり、被告人らの電磁的公正証書原本不実記録、同供用罪が成立するとの有罪判決が下されました。
 当社といたしましては、これら前取締役らの有罪判決を厳粛に受け止めており、事件直後から外部識者を入れたコンプライアンス委員会を開会し、審議を重ねることで法令順守の徹底に努めるとともに、今後二度とこのような不祥事を起こさないよう、引き続きガバナンスの強化に取り組んでおります。
 また当該事件に関して、平成19年2月7日、当社は、株式会社あおぞら銀行、新光証券株式会社、飯倉ホールディングス株式会社前代表取締役上田高嗣の三者に対する損害賠償11億4,680万円及び遅延損害金の支払を求めて東京地方裁判所に提訴いたしました。
 さらに、平成19年5月24日、当社は、当社の前代表取締役社長、前取締役経理部長兼総務部長の両名に対して、金1億6,778万円及び遅延損害金の支払を求めて京都地方裁判所に提訴いたしました。
 
4【事業等のリスク】
 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1)食の安全性について
 当社は、製品の安全・安心、高品質安定等の確保が経営上の最重要課題であると認識しており、万全の体制で取り組んでおります。食品衛生法および関連法規の遵守、適正表示、使用原材料の検査等を徹底し、良い製品作りに努め、顧客満足の最大化を目指しております。
 これら生産および品質管理体制の確保については最大限の努力を払っておりますが、当社の取り組みを超える事象が発生した場合は、当社の業績に影響を与える可能性があります。
(2)菓子業界の動向について
 菓子業界は、生活スタイルの変化や核家族化により購買単位が減少するなど、その事業環境は成熟化しております。また、顧客ニーズの多様化や法人需要の低迷、販売競争の激化などによる厳しい状況にあり、製品差別化をして競争優位性を確保する必要性があります。そのためには原材料による差別化だけではなく、顧客満足のための種々の取り組みが必要とされています。これらの状況は当社の業績に影響を与える可能性があります。
(3)天候による影響
 当社の売上高は、中元、歳暮を含む進物需要期と平常月の間に、季節的な偏差があります。平常月の販売促進に注力し、平準化を図っておりますが、夏期の主力商品においては特に冷菓のウェイトが高く、これらの売上動向は、猛暑や冷夏などの天候条件により大きく影響を受け、年間を通じた業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)原材料および資材の調達について
 当社製品の主要原材料は農産物由来であります。従って、天候不順による収穫量の減少や需給逼迫などにより、その仕入価格が大きく変動することがあります。また、原油価格の高止まりや為替相場の変動などにより重油等燃料費や包装資材関連の仕入価格が上昇する傾向にあります。リスク回避のため、仕入先を分散するなど種々の対策を講じておりますが、これらの事情は当社の生産活動に支障が発生し、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)災害による影響
 当社は製造原価低減を目的として、一部生産ラインを除く主力生産設備を本社工場に集約しております。従って、地震や台風などによる想定外の被災をした場合、操業停止や生産能力の著しい低下が起こる可能性があります。
(6)主たる株主の状況について
 平成19年3月期における当社の筆頭株主は飯倉ホールディングス株式会社であり、3,862千株(議決権比率22.96%)を保有しております。同社は実質破綻状況にあり、今後、株主構成が変動する可能性があります。
(7)設備の老朽化
 当社の製造設備の主要なものはすでに耐用年数を超え、老朽化が進んでおります。補修、修繕を定期的に行い、管理することにより当面の使用に支障をきたすことはないと思われますが、近い将来において、設備を更新する必要性があります。これらの事情は当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
5【経営上の重要な契約等】
 該当事項はありません。
6【研究開発活動】
 当社は『菓子を通じて、感動と和みのある心豊かな生活シーンの提案をする』という企業理念に基づき、伝統商品に現代感覚を取り入れ、その調和を図るとともにくつろぎの世界を提供し、製品の差別化によるお客様志向の研究開発を目指すとともに社会文化や感動の創造に貢献できる取組みを進めております。
 消費者の食の安全・安心に対する要望はますます高くなっており、食品産業として、原材料から製品に至るまでの品質管理に万全を期しております。
  当期におきましては、のど越しのなめらかさにこだわった冷菓シリーズ「なつのかし」を新発売いたしました。また、粒よりの一粒栗を配した風味豊かな栗きんとんや自家需要に対応した外郎「もちもち」、麹にこだわった酒種あんぱんなどを新発売しました。
 当事業年度における研究開発費は24百万円であります。 
    研究開発活動を示すと次のとおりであります。
① 製造関連部門
 顧客の嗜好の変化や多様化や、製品ライフサイクルの短期化に応じた迅速な研究開発に注力しており、細やかな対応をめざしております。同時に外注加工商品の内製化、生産高および生産効率の向上を図った活動を進めております。
 当事業年度における研究開発費は10百万円であります。
 
② 商品関連部門
 法人需要の低迷が続き、中元・歳暮等の儀礼的贈答市場が縮小するなど、菓子業界は厳しい状況にあります。
 顧客ニーズの的確な把握、迅速な開発行動、強力な販売促進活動、企画立案活動等を行っております。
 当事業年度における研究開発費は14百万円であります。
  
7【財政状態及び経営成績の分析】
 当社の財政状態及び経営成績の分析は、以下のとおりであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。
 また、当該財務諸表で採用する重要な会計方針等につきましては第5「経理の状況」重要な会計方針に記載しております。
 当社は、特に以下の重要な会計方針及び見積りの判断が財政状態及び経営成績に対して重要な影響を及ぼすものと考えております。
① たな卸資産の評価基準及び評価方法
 当社のたな卸資産の評価基準は、製品については総平均法による原価法、商品、原材料、仕掛品、貯蔵品については月別移動平均法による原価法(ただし支店の付属工場である京都工場では最終仕入法による原価法)によっております。
 また、当社は食品業であり、賞味期限管理を重視しており、賞味期限の到来が近づけば適時処分しているため、在庫で評価減を要するものは存在しないと認識しております。
② 貸倒引当金の計上基準
 貸倒引当金については、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等については財務内容評価法により、回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。
 ただし、当期末において貸倒懸念債権等は、存在しないと認識しております。
 
(2)当事業年度の経営成績の分析
 当期の経営成績は、減収増益となりました。生産性の向上による製造原価率の低減、人件費率及び物件費の徹底見直しによる販売費及び一般管理費の低減が進み、7期ぶりに当期純利益を計上することができ、経営改善による財務基盤の強化が進んでいると判断しております。
① 概要
 当期の経営成績は、売上高が2,201百万円(前期売上高2,216百万円)、営業利益は57百万円(前期営業利益70百万円)、経常利益は47百万円(前期経常利益45百万円)、当期純利益では17百万円(前期純損失155百万円)となっております。
② 売上高
 当期の売上高は、前期から15百万円減少し、2,201百万円と厳しい結果に終わりました。
③ 売上総利益
 売上高は前期比99.3%と減少に終わりました。また、当期の売上総利益は、商品仕入高を減少させるとともに自社工場での内製化を進め、生産高向上に努めるなど売上原価の低減に努めたものの、前期比0百万円の減少となりました。
④ 営業利益
 すべての経費を見直し、経費削減に注力したものの営業利益は、前期に比べて12百万円減少(前期営業利益70百万円)し、57百万円となりました。
⑤ 経常利益
 営業外収益が8百万円、借入金を返済したことにより利息負担が減少したこともあり、営業外費用は18百万円(内、支払利息17百万円)となり、当期の経常利益は前期に比べて2百万円増加し(前期経常利益45百万円)、47百万円となりました。
⑥ 当期純利益
 当期純利益は、前期比173百万円増加となり17百万円の利益となりました。
(3)当事業年度の財政状態の分析
① 資産及び負債・資本の状況
 当期末の総資産は、前期末に比べ129百万円(8.5%減)減少し、1,393百万円となりました。これは、短期貸付金の減少、同額の貸倒引当金取崩し以外に、流動資産には大きな変動はなく、不採算であった洛北店の土地・建物の売却に係る有形固定資産が109百万円(10.9%減)減少したことによるものです。
 負債の部は、前期末に比べ146百万円(11.2%減)減少し、1,156百万円となりました。
 純資産の部(前期は資本の部)は、前期資本合計に比べ17百万円(8.0%増)増加し、純資産合計が236百万円となりました。
② 当事業年度のキャッシュ・フローの状況
 営業活動によるキャッシュ・フローは、当期において税引前当期純利益は前年度と比べ172百万円増加し、28百万円となりました。また、短期貸付金967百万円を回収不能と判断し、同額貸倒引当金を取崩したこと、減価償却費や閉店損失、たな卸資産の増加額、長期未払金の減少額などがあったこと等により、9百万円の減少となりました。
 投資活動によるキャッシュ・フローは、新規店舗出店(長滝店・納花店)に伴う有形固定資産の取得などによる支出19百万円があった一方、洛北店の土地、建物等有形固定資産の売却収入105百万円などにより、差し引き79百万円の増加となりました。
 財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の一部返済を行ったことなどにより、77百万円の減少となりました。
(4)経営成績に重要な影響を与える要因について
 当社の経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、前述の「4 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(5)戦略的現状と見通し
 当社は、固定費を含む経費の見直しにより財務内容の是正、経常利益率の向上策を進めております。今後は直営店での販売構成比率をさらに高め、継続して収益増を目指すとともに、固定費を吸収できるような体質転換を行うため、直営店舗新規出店の計画化と既存店舗の販売促進強化の注力をすすめております。




出典: 株式会社駿河屋、2007-03-31 期 有価証券報告書